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気持ちのいいセックスしてる？
――実は宋先生とアルテイシア先生は、１２歳からの友人同士。医師と作家、職業は違うのに、なぜかセックス関連の本を書いて大人気、という共通点を持つ仲良しです。
アルテイシア（以後ア）：私たち、いつもセックスのもろだしトークしてるよね。宋さんは出産したばかりだけど、産後はセックスした？
宋（以後ソ）：産後２カ月でトライしましたよ。
ア：ちゃんとできた？
ソ：いやいや、未遂でした。（笑）でもお蔭で、四時と六時の方向に縫い痕があることがわかりましたが（笑）
ア：おお、ドクターだからこそのコメント！ しかし、未遂とは残念だったね。
ソ：また、トライしますよ（笑）。授乳中はホルモンの変化で、どうしても膣が濡れにくくなる。だから、出産がきっかけでセックスレスになる人は多いのよね。気をつけなきゃ。
ア：最近は未婚カップルでもセックスレスが多いよ。「セックスが苦手」とか「セックスは嫌いだから面倒くさい」って意見もよく聞く。
ソ：そういう人は、本当に気持ちのいいセックスをまだ経験してないのかも。
ア：まずいケーキしか食べたことなかったら、「ケーキは好きじゃない」ってなるでしょ？それと同じで、いいセックスをしたことがなければ、セックスを好きになりようがない。逆にいいセックスを経験すれば、もっとセックスしたくなる。
ソ：オーガズムを知らない女性は、どんなアンケートをとっても５０％はいるのよ。２人に１人は、イッた経験がない。
ア：オーガズムって、ボサッと寝てるだけじゃ得られない。受け身だと、誰とセックスしてもイケない。どこを触られたら気持ちいいとか、どのタイミングでイケるとか、自分の快感のツボを知らないと。
ソ：女性は寝てるだけで、男性が何もかもしてくれて快感が得られるなんて、ＡＶの世界の話。ファンタジーだよね。
ア：そう、ＡＶはディズニー映画と同じで、メルヘン（笑）。白馬に乗った、超絶テクをもった王子様なんていないから。経験豊富な女性に聞くと「こりゃ上手い！」とヒザを打つような男性は３０人に一人だとか。
ソ：そもそも、男性だけの努力では無理。女性も積極的にならないと。
ア：日本の性教育は「セックスは子供を作るためのもの」と教える。でも子作り目的だけだったら、１生のうち２〜３回ぐらいでしょ？
セックスは、エステやグルメで快楽を追求するのと同じ。セックスで快楽を求めていいのに、臭いものにふたをするように、パートナーと話し合えない人が多い。それだと本当に気持ちのいいセックスはできないよね。
ソ：ただまあ、大抵の男性はセックスについて繊細で傷つきやすい。女性が自分の体を知って、どうすればイケるか研究したほうが早道だよね。
ア：受け身じゃなく、男を育てるぐらいの心意気で。私はセックスが下手な若い男子とした時、クリトリスやＧスポットの位置まで詳しく教えた。『ドラゴン桜』ばりの熱血指導で（笑）、彼のセックス偏差値は３０から７５まで急上昇したよ。
ソ：それは経験豊富なアルテイシアにはできるけど、普通は難しいかも（笑）。
ア：うーん、でも一番は「育てる気があるか」じゃないかな。男って単純だから、褒めれば伸びる。「今のすごくよかった！」と言えば「よーし、頑張るぞ！」とやる気を出す。桜木（※ドラゴン桜の主人公）みたいに「おまえは下手だ！」ってスパルタはダメだけど（笑）、「上手にできましたね〜」って褒めてあげればいいのよ。
ソ：そしたら男性も自信がつくし、前向きになるよね。セックスに自信が無くて、悩んでる男性も多いから。
ア：「パートナーを満足させられないんじゃないか」ってプレッシャーを感じて、セックスに積極的になれない男性もいる。でも正しい参考書も塾もないんだから、下手で当り前なのよ。そこは、女性ががんばって教えてあげてほしい。
ソ：ＡＶはむしろ反面教師だもんね。男性も正しいセックスのやり方を知らない。
ア：私の男友達は、彼女が濡れなくて焦って、冷凍庫から氷を持ってきたんだってさ。
ソ：氷？（笑）
ア：氷で膣を濡らそうとしたらしい。でも彼女に「冷たっ！」って飛び上がられて、余計に濡れなくなったと。
ソ：そりゃそうよね、水は蒸発するし。
ア：せめてマヨネーズを使っていれば。お肌のことを考えたら、無添加のオリーブオイル？
ソ：いやそんなん持ってきたら、引くから（笑）
ア：それだけ男子も知識がないってこと。だから「イカせてくれるはず」なんて期待しない方がいい。いいセックスをしたければ、女性も行動しないと。
ソ：自分の姿勢が変われば、相手の反応も変わるのは確か。恥ずかしいかもしれないけど、そのぶん２人だけの深い楽しみに到達できて、愛情も信頼も深まるよね。
――話は、オーガズムを得るために女性ができることに進みます。
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