妊娠中にインフルエンザに感染したら?

妊娠中は通常時と比べ、インフルエンザに感染した場合に重症化しやすいとされています。肺炎などの合併症を引き起こしやすく、早産の可能性を高めるという報告もあります。重症化のリスクは後期になるにつれ高くなり、特に28週以降は注意が必要です。

もし感染していたら、発症48時間以内の早めの対処が重要です。あらかじめ受診できる病院を決めておいて、高熱や悪寒、咳や鼻水などの風邪と似た症状が現れたら、すぐに受診しましょう。できれば、妊娠中のママや産後のママが大勢いる産科よりは一般の内科にかかるのが望ましいのですが、もし、かかりつけの産科に受診する場合は一度電話で問い合わせてからにしましょう。出かける際には、他の人に感染させないためにマスクを必ず着用してください。母子手帳も忘れずに。

これまでは妊娠中に感染した場合、抗インフルエンザ薬が処方されることはあまりありませんでした。しかし、タミフルやリレンザなどの薬を投与しても母体や胎児に重大な影響を及ぼす可能性は低いとされ、2009年の新型インフルエンザ流行期からは妊娠中からも抗インフルエンザ薬の服用が勧められています。

医師から処方された場合には、指示されたとおりにすべてを飲みきるようにしましょう。「症状も改善したし、お腹の赤ちゃんへの薬の影響を少しでも減らそう」と薬の服用を途中で止めるのはNG。いったん症状が軽くなっても、またぶり返したり、薬が効かない耐性ウイルスが増える可能性もあります。

※感染中に出血やいつもと違うお腹の張り、陣痛のようなお腹の痛みを感じたら、ただちに産科を受診しましょう。

(2012年11月から掲載、2013年11月改訂)