地震に備えよう:地震に強いお部屋を作ろう

いっぺんにやるのは大変だけど、できることから少しずつ対策を。毎日コツコツ安全と安心を増やしていこう。

安全なお部屋作りの基本
お部屋別具体策

安全なお部屋作りの基本

モノをおかない!

タンスや食器棚が倒れてきたり、上からモノが落ちてきたり飛んできたりetc。地震のときには部屋の中の思わぬものが凶器になります。

慌てて避難しようとしたら床においてあるものにつまずいて転倒、なんてことも。大人なら打撲程度でも、小さな子どもにとっては致命傷になることだってあります。

できるだけ余計なものをおかない、出しっぱなしにしない、というのが安全なお部屋作りの第1ステップ。日ごろからの整理整頓がいざというときに子どもの命を守ります。

まずはお部屋をすっきりと片付けることから始めて。

要注意の大型家具

地震にあって家の中でケガをした人の多くは、家具の転倒や重いものの落下が原因。

寝室や赤ちゃんといつも過ごす部屋には、倒れたら危険な大型家具はおかないようにするのがベストですね。

お部屋に余裕があれば、本棚や洋服ダンスなど一箇所にまとめて“タンス部屋”を作るのも一つの手。

金具で固定したり、「つっぱり棒」や「耐震ジェルマット」などでしっかり転倒防止策もしておきましょう。家具の上に、重いものを置かないようにすることも大切です。

大きな地震だと、タンスの引き出しや、中にしまってあるものが飛び出してくることもあります。防災用の「飛び出し防止用フック」などを、引き出しや扉に取り付けておくと更に安心。

逃げ道確保のレイアウト

ドア付近や出入り口に、大きな家具を置いたりモノをたくさん積み重ねておくのはNG。地震で倒れると出口がふさがれ、中に閉じ込められてしまいます。

大きな家具や冷蔵庫などの大型家電類は、置き場所にも工夫が必要です。万が一倒れても避難経路をふさがない場所を選んで。

できればあちこちに分散させず部屋の奥の一角にまとめて置くのがベスト。

また、激しい揺れでドアがゆがんで開かなくなることもあるので、外への避難経路を何パターンか確保しておくといいでしょう。

ベランダには避難ハッチや避難ばしごが設置されていますが、普段使わない荷物などここに置いてしまいがち。災害のときはベランダから避難、ということも考えてハッチや避難ばしごをモノで埋めないようにして。

もし地震が起きたらどう逃げるか?実際にイメージしながら、お部屋のレイアウトを考えてみましょう。

窓ガラス対策も忘れずに

お部屋の中で大きな面積を占める窓ガラス。

激しい揺れの地震のときは、ガラスが割れて部屋の中に飛び散ることも。避難するときにガラスを踏んで大けが、なんてケースも少なくありません。

カーテンをレースのものと厚手のものダブルでかけておけば、ある程度の飛散は防止できますが、窓には「ガラス飛散防止フィルム」を貼っておきましょう。

フィルム貼りはガラス屋さんに頼むこともできますが、自分で買ってきて簡単に貼れるものもあります。

全面にフィルムを貼るのが難しい場合は、窓の四隅に貼るだけで強度をアップするものもあるので、状況に応じて選んでみて。

窓ガラスだけでなく食器棚や掛け時計、鏡など、家の中には意外とガラス製品が多いもの。これらにもフィルムを貼っておけば、ガラス破片でケガをするリスクを減らせますね。

各部屋にセーフティゾーンを

家の中のどの場所で地震にあうか?は分からないもの。地震が起きたときに逃げ込める安全な空間を、いくつか作っておくといいでしょう。

リビングならテーブルの下、子ども部屋なら机の下など。テーブルや机の下の空間を荷物で埋めないように普段から注意しておいて。

もぐり込めるようなものがない場所は、モノが倒れたり落ちてきたりしない安全なエリアを確保しておきましょう。

お部屋別具体策

理想的なレイアウトは?家具の固定や補強のポイントは?お部屋ごとに詳しく紹介。

キッチン

狭い空間にたくさんのものがあふれているキッチン。大型家電や刃物、食器など、大きな地震のときには凶器になるので万全の対策を。

食器棚

  • 出入り口付近を避けて、できるだけ奥に置く。
  • 背の低いものは「L字金具」や「ジェルマット」で、高いものは突っ張り棒で固定する。
  • 食器が飛び出さないように、扉には「フック」をかけて、ガラス部分は「飛散防止フィルム」を貼る。
  • 大きなお皿など重たい食器は下段に、赤ちゃん用のプラスティック製のものなど軽いものは上段に収納。
  • 食器が飛び出さないよう、棚板に滑り止めになるようなシートを敷けば完璧。

冷蔵庫

  • 倒れたときに通路をふさがない行き止まりの奥に置くようにする。
  • ドアには「フック」をかけて開かないように。
  • 重量のある大型冷蔵庫は、各メーカーが発売している「専用の転倒防止器具」で固定するのがベスト。

電子レンジ・トースター

  • レンジやトースターの下、四隅に「耐震ジェルマット」を置いて固定、落下を防止する。

シンクの下

  • 包丁や調理器具などが飛び出さないよう、扉に「飛び出し防止用フック」をかける。

調理台の上

  • お皿やコップ、フォークやナイフ、食器、調理器具類は使ったらすみやかに収納。
    →いろいろなものを出しっぱなしにすると落下したり、激しい揺れで飛んできたりすることも。

リビング

テーブル

  • グラッときたらまずテーブルの下に避難するのが安全。
    →でも、大きな梁や柱が倒れてきたらつぶれされてしまうこともあるので、テーブルそのものの耐震強度を強くすることも大切。
  • ダイニングテーブルの下中央に、補強の棒などをつけて脚を5本にする。
    →「専用の補強棒」は防災グッズとしても販売されている。

オーディオラック

  • TVやビデオなどのオーディオラックは「L字金具」で壁に固定するか、床との間に「耐震ジェルマット」を置く。
  • TVやビデオ本体も、底面に「耐震ジェルマット」を敷いて転倒防止を。

本棚

  • 背の高いものは「L字金具」や「つっぱり棒」で、背の低いものは床との間に「耐震ジェルマット」を敷いて固定する。
  • 本が飛び出さないように、自転車の荷台用のゴムひもなどを1、2本横に渡しておく。
    →本を取り出すときはゴムをちょっと伸ばすだけでOK。

  • ものが散乱していると、つまずいて転倒したり、避難するときに危険。
    →子どものおもちゃや雑貨類は出しっぱなしにしないように。普段から整理整頓を心がけて。

寝室

出入り口

  • 逃げ道確保のため、ものをおかないでスッキリさせておく。
  • 大きな地震だとドアが開かなくなることもあるので、子どもと別の部屋で寝ている場合は、いざという時救出できるよう、親子の寝室のドアは開けておく。

ベッドの位置

  • すぐに避難できるよう、ベッドはできるだけ入口付近におく。
  • 大きな家具の近くや照明の下などは避ける。

クローゼット

  • クローゼットなどの大型家具は、転倒したときに逃げ道をふさがないよう、入口から離れた部屋の一番奥に置く。
  • 倒れても寝ている人を直撃しない場所を選んで。
  • 「L字金具」や「つっぱり棒」、「耐震ジェルマット」でしっかり固定。
  • 扉や引き出しに「フック」をかけて中のモノの飛び出し防止を。

  • カーテンを二重にかけたり、「ガラス飛散防止シート」を貼る。
  • カーテンは防炎効果のものを選ぶと更にベスト。

暗闇対策

  • 手で軽く押すだけで点灯する電池式の照明器具「タッチライト」を置いておくと便利。夜の地震で停電したときも、避難のための灯りを確保できる。
  • 激しい揺れでどこかへ飛んでいかないよう下に「耐震ジェルマット」を敷いて固定しておく。
  • 「タッチライト」は100円ショップなどでも売っているので、各部屋に一つずつ用意しておくとよい。