ママと赤ちゃんは一緒の部屋で…

産後、赤ちゃんがママのおっぱいに吸いつくと、その刺激でおっぱいが分泌されます。おっぱいが出てくると、赤ちゃんはもっと吸いついて、またおっぱいが作られる…。こうして二人の相乗効果で、授乳がはじまります。

おっぱいは、ママが一方的に与えるものではなく、赤ちゃんとママの共同作業。だから、赤ちゃんとママを引き離さず、24時間、一緒に過ごす時間が大切なんです。

産後の入院中、お母さんと赤ちゃんが別々の部屋に離されてしまうと、本来母乳で育てられる人でも、母乳育児がうまくいかなくなってしまうことがあります。

もちろん、赤ちゃんやママの体の状態によっては、残念ながら離さざるを得ないケースもあるのですが、そういう事情ではないのに、赤ちゃんを新生児室に預かって病院の都合で授乳時間を決めてしまうことがあります。

赤ちゃんが「おっぱい欲しい」と思うタイミングと、病院が決めた授乳時間は、なかなかうまく合いません。赤ちゃんが吸わないので、おっぱいが作られない。作られないから出にくくなって、さらに赤ちゃんが吸わなくなる…。

授乳時間の合間にお腹がすいて赤ちゃんが泣くと、ミルクが足されてしまいます。すると、次の授乳時間がきたときに赤ちゃんはもうお腹がいっぱいで、おっぱいを吸わない。…こうして、悪循環に陥るのです。

だから、赤ちゃんとママが24時間一緒の部屋にいて、赤ちゃんがおっぱいを欲しがったときにすぐに与えられる「母子同室」がベストです。

病院によっては、まだ、母乳育児を支援する体制が整っていないところもあります。そのときは、「母子同室にしたい」とか、母子別室でも「泣いたら連れてきてほしい」と、自分の希望を病院に伝えてみてください。 ママたちが声をあげることが、母乳育児支援を広げていくきっかけになると思います。

(2010年8月から掲載)