子どもの歯なんでもQ&A

今日から生活を見直して、虫歯予防につなげましょう!

子どもの歯についてよくある質問をピックアップ。小児歯科医・井上美津子先生にお答えいただきました。疑問や不安はこれで解決!

Q1.虫歯になりやすい人と、なりにくい人がいるのはなぜ?

虫歯になりやすいかどうかは、唾液虫歯菌歯垢食事などの要素によって決められます。

まず、の要素では、形や歯並びが関係しています。たとえば、奥歯の溝が深く複雑な形をしていると、食べカスが残りやすく、歯ブラシの毛先が届きにくいので、虫歯のリスクが高くなります。歯が重なり合って生えていたり、向きがバラバラで歯並びが悪い場合も、汚れを磨き残しがち。また、乳歯は、ふつう歯と歯の間にゆとりがありますが、くっついている場合は歯と歯の間が虫歯になりやすいといえます。

唾液には歯の汚れを洗い流したり、歯を溶かす“酸”を中和したり、溶けた歯を修復する働きがあります。唾液の分泌量や質にはかなり個人差があって、唾液が少ない人や、酸を中和する力が弱い人は、虫歯ができやすくなります。

虫歯をつくりだす虫歯菌は、多くの人の口の中に住んでいます。その数が多い人ほど、虫歯になる危険性は高くなります。虫歯菌は歯垢をつくって歯の表面に住みつきます。歯垢の中の菌が、糖分を取り込んでどんどん酸を作ると、虫歯のリスクは高まります。

食事については、食事の時間と、どんなものを食べているかがポイント。時間を決めずに1日中だらだら食べている人は、糖分が口の中に長時間とどまるので、虫歯菌の働きが活発になります。酸で歯がどんどん溶けていき、唾液が歯を修復するのが追いつきません。また、チョコレートやクッキー、ジュース、乳幼児用イオン飲料などをしょっちゅう食べていると、虫歯になりやすい。

歯の形や歯並び、唾液の性質や分泌量は、生まれつきのものなので、そう簡単に変えることができません。でも、「しっかり歯磨きをする」、「ダラダラ食べず、甘いものは控えめにする」、「よく噛んで唾液を分泌させる」などライフスタイルを見直すことで、虫歯のリスクは減らすことができるのです。

Q2.カリエスリスクテストって何ですか?

カリエスリスクテスト(虫歯危険度テスト)は、どれくらい虫歯になりやすいタイプなのかを調べる検査。 検査項目は歯科医院や患者の希望によってちがいますが、 虫歯菌の数や、唾液の分泌量、唾液が酸を中和する力、歯垢の量、食生活などをチェックすることが多いでしょう。

このテストを受けると、子どもの口の中(口腔内・こうくうない)のどこにウィークポイントがあるのかがわかります。 項目ごとの検査結果を、レーダーチャート(クモの巣状のグラフ)で表示してくれる医院もあります。 結果を元に、歯によい食生活の説明や歯磨き方法、フッ素の使い方などが指導されるので、歯の健康について考えるよいきっかけになります。

虫歯菌の活性(酸のつくりやすさ)を測定する検査は、綿棒で歯の汚れを取るだけの簡単なものなので、1歳でも受けることができます。

本格的に調べたい場合は、唾液の検査をします。ガムを5分ほど噛んで唾液をしっかり分泌させてから、容器に出すことが必要なので、 小さい子どもにはちょっと難しいようです。医師の指示通りにできるようになるのは、3、4歳から。

このテストは自費負担。検査の内容によりますが、2,000~5,000円程度かかることが多いでしょう。 また、すべての歯科医院で行われているものではないので、受けたい場合は電話で問い合わせてみましょう。

Q3.歯磨き粉はいつから使うべき?

“歯磨き粉(歯磨材)は絶対に使わなくてはいけない”というイメージを持っている人が多いようですが、実は、使っても使わなくてもどちらでもいいものなのです。

歯のケアは、歯ブラシできちんと汚れを取ることが何よりも大切。しっかり汚れが落ちていれば虫歯にはなりません。

小さな子どもは歯磨き粉を飲み込んでしまうので、使わないほうがいいでしょう。うがいができる3~4歳になって、歯磨き粉があったほうが子どものモチベーションが上がるなら、取り入れてみて。

大人でも子どもでも、歯磨き粉はほんのちょっと、小指の先ほどでじゅうぶん。泡立ち過ぎると、歯の汚れが見にくくなり、磨き残してしまうこともあります。仕上げ磨きをするときは、何もつけないほうがいいでしょう。

永久歯に生え替わりはじめたら、まず何もつけずに磨いて汚れをしっかり落としてから、2度目に仕上げとしてフッ素入りの歯磨き粉を使うと、虫歯予防が期待できます。

Q4.子どもにもデンタルフロスは必要ですか?

デンタルフロス(糸ようじ)は前歯だけしか生えていない赤ちゃんには通常必要ありませんが、奥歯が生えそろってきたら使うことをおすすめします。奥歯の歯間の汚れは歯ブラシだけでは落とせないので、虫歯になりやすいのです。日本ではまだあまり定着してないのですが、欧米では積極的に子どもにフロスを使わせています。

子どもの場合、手に巻きつけて使うタイプのフロスは使いにくいので、プラスチックの柄のついた糸ようじがおすすめ。最近は、サイズが小さく、かわいいキャラクーの柄がついた子ども用も、小売店や歯科医院などで販売されています。

フロスには、ワックスで固められたタイプと、細かい糸がよってあるタイプがあります。細かい糸がよってあるタイプほうが歯のお掃除効果は高いのですが、ワックスタイプのほうが歯間に入れやすく使いやすいと思います。いろいろ試して、使いやすいものを選んでください。

フロスを入れるときは、まっすぐにぎゅっと押し込むのではなく、のこぎりを引くように少しずつ歯の間に入れていき、歯ぐきとの境目の汚れをとってから、歯にそわせて引き出すのがコツ。

夜寝る前1回だけでもよいですから、糸ようじを使って歯のお掃除をしてください。

Q5.虫歯予防にフッ素がいいって本当? 害はない?

歯のケアに使われるフッ素は、正式には「フッ化ナトリウム」といいます。ミネラルの一種で、①酸で溶け出した歯の修復(再石灰化)を促進する、②エナメル質に吸収されて歯を強くする、③ミュータンス菌が酸を作り出すのを抑える、という3つの働きがあるので、虫歯予防につながります。最近は、歯科健診でフッ素塗布を行う自治体も増えています。

フッ素は濃度が高いと強い毒性があるものです。飲料水のフッ素濃度が高い海外の地域では、斑状歯(はんじょうし)といって歯の色が変わってしまったり、骨の形成に影響が出たこともありました。

でも、今は健康被害が出ないように、薬事法で濃度が厳しく決められているので心配いりません。歯科医院で使うものは2%以下、家庭で使う歯磨き粉やジェル、うがい剤などは0.1%以下、さらに、低年齢の子ども用のスプレータイプは0.01%程度に抑えられています。

フッ素は長く使われてきた実績がありますし、わかめや海苔、緑茶など天然の食材にも含まれています。商品に表示されている使い方をきちんと守れば、安全なものです。

フッ素は生えてきたばかりの歯ほどよく取り込まれて、歯の表面が酸に強くなりますから、子どもの歯のケアに上手に使えば虫歯予防の効果が期待できます。

でも、フッ素を使ったら虫歯にならないというわけではありません。あくまで歯のケアの基本は歯磨きで、フッ素はプラスアルファのもの。子どもの将来の健康を考えるなら、歯をきちんと磨く、食べ物はよく噛む、甘いものを食べすぎないという生活習慣をつくることが、何よりも大切です。

Q6.キシリトールガムは虫歯予防になりますか?

キシリトールは、白樺などの木からとれる天然の甘味料。虫歯の原因になる酸の発生を抑える成分がふくまれるため、虫歯予防の効果があります。スウェーデンやデンマークなどでは学校の昼食後に子どもたちがキシリトールガムを5分間噛む習慣が定着しています。

キシリトールの成分だけでなく、ガムを噛むということ自体が、虫歯予防につながります。唾液の分泌量は、何もしていないときは1分間に0.2~0.3mlですが、噛む刺激により1~2mlと5倍から10倍の量を分泌します。

ただ、日本の文化や習慣を考えると、家庭で親が時間を計ってガムを噛ませたりすることはむずかしいと思います。幼い子は飲み込んでしまうことがあるので、食べさせないようにしましょう。

最近はさまざまなキシリトールガムが出回っていますが、虫歯予防を考えるなら、キシリトール100%のものを選ばなければ意味がありません。少しでも砂糖が含まれていれば、虫歯の原因になります。

また、キシリトールガムを噛んでも、歯についてしまった汚れが取れるわけではないので、歯磨きはおこたらないでください。

Q7.生後11ヵ月なのにまだ歯が生えません。離乳食はドロドロ状のまま?

乳歯は生後4ヵ月ごろから生えてくる子どももいれば、1歳を過ぎてから生えてくる子もいます。遅めですが異常ではないので、もう少し様子を見てよいと思います。

歯が生えてくる前には、歯ぐきに土手のようなふくらみが出てきます。1歳すぎる頃になってもふくらみが出てこなかったら、歯科医を受診して相談しましょう。

離乳食は、歯の発達に合わせて、進めていきます。歯が生えていないのに無理に硬いものや大きな食べ物を与えると、口から出してしまったり、丸飲みしてしまったりします。

離乳食の進め方を判断するために、口の中をチェックしてみましょう。歯が生えていなくても、口を閉じて飲み込むことがうまくできるようになると、次に、赤ちゃんは離乳食を舌でつぶして飲み込めるようになります。離乳食をドロドロのままにする必要はありませんが、力を入れなくても指でつぶせる程度の固さにしましょう。

前歯が生えて奥の歯ぐきにふくらみが出てきたら、食べ物を歯ぐきでつぶせるようになります。バナナくらいの固さにステップアップしてみてください。

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、子どもの歯の発達に合わせて1歳半くらいまでに離乳食が完了すればOKとしています。1歳半ごろになれば奥歯もだいたいのお子さんが生え始めてくるので、少し固さのあるものを食べられるようになってくると思います。

Q8.どんな症状があったら歯医者に行くべきでしょうか?

ごく初期の虫歯は、表面が白っぽくざらざらしてきたり、歯の表面が茶色っぽく変色したりします。このような変化に気づいたら、早めに受診してください。痛みを伴わずに治療できるかもしれません。

たとえば「シーラント」という治療法があります。虫歯になりかけている部分をきれいに清掃して、セメントやプラスチックを流し込んでカバーして、虫歯の進行を食い止めるのです。

ただし、ママが虫歯の初期症状を見分けることはとても難しいものです。 歯に痛みが出たときには、虫歯はかなり進行してしまっていて、麻酔をしたり、削ったりと、かなり大掛かりな治療が必要になります。 場合によっては神経(歯髄)の処置が必要になります。

何か症状が出てから受診するのではなく、かかりつけの歯科医を見つけて、定期的に健診を受けることをおすすめします。 きちんと磨けているかチェックしてもらい、虫歯を予防することもできます。

はじめて歯科医院に行っていきなり痛い治療をされたら、子どもは歯医者さんが大嫌いになるでしょう。 普段から健診で通って、歯科医院の雰囲気に慣れさせたり、歯医者さんと子どもとの信頼関係を築いておきましょう。

Q9.大人から虫歯菌がうつるのは何歳まで?

大人の口の中には、何億もの細菌が住んでいます。口の中に、どんな種類の細菌がどのくらいのバランスでいるのか(細菌叢・さいきんそう)は、人によってちがいます。虫歯の原因となる虫歯菌(ミュータンス菌)も、たくさん持っている人もいれば、まったくいない人もいます。虫歯菌の数が多いと虫歯になりやすいですし、まったくいなければ虫歯にはなりません。

生まれたばかりの赤ちゃんの口には、細菌はいません。成長していく過程で、徐々にいろいろな菌が入ってきて、細菌叢が決まっていきます。

「何歳までうつる」とはっきりいえませんし、細菌はいろいろな場面で子どもの口の中に入ってきますが、細菌の定着が起こりやすいのは、前歯が生えはじめる頃から、奥歯が生えてくる1、2歳頃までと考えられています。この時期までに口の中の細菌叢がだいたい決まってくるのです。一度、細菌叢ができがると、あとから別の菌が入ってきても、口の中にすでに住んでいる菌が邪魔をして、定着しにくくなります。

虫歯予防という観点から考えると、親が噛み砕いたものを子どもに口移しで与えたり、歯ブラシを共有することは避けたほうがいいでしょう。

ただ、親子のスキンシップはとても大切なもの。子どもにキスをしたり、同じ食器で食べ物を分け合うことまで制限しなくてもいいと思います。

子どもに菌がうつらないように……と神経質になるよりも、まず親自身が歯のケアに気を配りましょう。 虫歯をしっかり治療して、きちんと歯磨きをすれば、虫歯菌はかなり少なくなります。 親自身が歯をきれいにすることが、子どもの虫歯のリスクを減らすことにつながるのです。

Q10.子どもの虫歯の治療法は大人と同じ?

基本的に、虫歯の治療そのものは、大人でも子どもでも大きくは変わりません。悪い部分を削って、詰め物をします。削る機械も、大人と同じものを使っています。

ただ、乳歯の場合は、永久歯への生え替わりができるだけスムーズになるように、ひと工夫することがあります。5~6歳頃になると、乳歯の根が溶けていって、やがてグラグラになって抜けます。この過程がうまくいくように、根を治療するときに歯と一緒に溶ける材料を使ったり、神経(歯髄)の上の方だけを取り除いて、根の方は残すこともあります。

大人の治療との一番大きな違いは、子どもがリラックスできるように配慮することです。たとえば、治療する部屋を明るくカラフルに飾り付けたり、歯科医が着る白衣にキャラクターをつけたり、ぬいぐるみを置いたりして、子どもの気分をやわらげます。

ある程度、話が理解できる年頃の子どもには、どうして治療しなければならないのか、どんなことをするのかをわかりやすい言葉で説明したり、最後まで我慢できたらたっぷり褒めて、歯医者さんに通うのが嫌にならないように工夫します。

Q11.指しゃぶりは早くやめさせたほうがいい?

昔は、「指しゃぶりは親が甘やかしているから」とか「親が放っておくからだ」などと言われていたこともあるのですが、今は、「小さな子が指しゃぶりをするのは自然なこと」と捉えるようになってきています。

平成14年に東京都で調査したところ、1歳半で28.9%、2歳で21.6%、3歳でも20.9%の子が指しゃぶりをしているという結果が出ましたから、特別なことではありません。

赤ちゃんはママのお腹の中にいるときから、指しゃぶりをしているんです。生まれてすぐに母乳を飲めるように、練習しているんですね。生後すぐの頃も、口のそばにふれたものに何でも吸い付く「哺乳反射」があるので、よく指をしゃぶります。そして5ヵ月頃になると、物を舐めることで形や味、感触を学んでいく時期なので、指や手もチュパチュパします。

1~2歳になって、おもちゃで遊んだり、外で遊ぶ時間が長くなってくると、暇なときや眠いときに指しゃぶりをする程度になってきます。そして、3歳頃になって保育園・幼稚園などでお友達と遊ぶような年頃になると、かなり減っていき、5歳頃までにほとんどの子が自然に卒業できるものです。

指しゃぶりは、歯並びへの影響を心配する方が多いですね。確かに、長期間続けていると、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬(かいこう)」や、上の前歯が前方に出る「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」などの影響が出ることがあるのですが、2歳ごろまではほとんど心配いりません。歯並びに少し影響が出ても、奥歯が生え揃うまでは歯並びは変化しやすいので、3歳頃までに指しゃぶりをやめると、自然に治ることが多いのです。

指しゃぶりは、ただ好きだからしている場合も多いのですが、何か不安やプレッシャーを感じているときにする子もいます。きつく叱りつけたりすると一層癖が悪化することがあるので、楽しくおしゃべりしたり、一緒に歌ったり、手遊びをしたり、絵本を読み聞かせてあげるなど、別の遊びに誘ってみましょう。

大人の話がしっかり理解できる4歳以降の子どもには、「指しゃぶりをすると歯並びが悪くなるんだよ」「指しゃぶりをするのは赤ちゃんなんだよ」ということを教えて、指しゃぶりをしないでいられたときはたくさん褒めるのもいいですね。

眠いときに指しゃぶりをするのは、その子なりの就眠儀式。寝る前だけなら歯並びに影響することも少ないので、様子をみていきましょう。外遊びなどで疲れたときは、しゃぶらずに眠る日も増えてくるでしょう。

3歳頃になっても一日中指しゃぶりをしていたり、2歳代でも指に吸いダコができている場合などは、歯科医院などで相談してみるのもいいでしょう。

Q12.おしゃぶりは、歯並びに影響しますか?

おしゃぶりは、子どもを泣き止ませたり、鼻呼吸を促したり、子どもを精神的に安定させる効果がある育児グッズ。欧米などではかなり広く定着しているようです。

長期に渡って使用すると「開咬(かいこう)」や、上の前歯が前方に出る「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」などの影響が出ることがあります。でも、奥歯が生え揃う2歳半頃までにやめさせれば、歯並びに影響が出たとしても自然に治ることが多いでしょう。

おしゃぶりは、子どもに静かにしてほしいときには便利なものなので、育児に忙しい母親にはお助けグッズでもあります。

ただ、一日中ずっと使っているのは問題です。おしゃぶりをしていると子どもはおとなしいので、親子で触れ合って遊ぶ時間が減る傾向にあります。また、1歳過ぎから言葉を発するようになりますが、この時期におしゃぶりで口がふさがれてしまうと、言葉が遅れることもあります。

おしゃぶりを使う場合は、1歳過ぎになったらホルダー(おしゃぶりを紐とつなげて、服に留めるグッズ)は外し、おしゃぶりをしているときも子どもと積極的に関わるように気をつけましょう。

Q13.親の歯並びは子どもに遺伝しますか?矯正はいつから?

昔と比べると、虫歯は減ってきていますが、歯並びのことで受診する人は増えています。ただ、これは「歯並びが悪い子が増えた」というわけではなくて、少しの歯並びの乱れでも、気になって受診する人が増えている、という側面があると思います。

歯並びは遺伝の要素も確かにあるのですが、親の歯並びが悪いと必ず子どもも悪くなるというわけではありません。歯並びは、あごの大きさと歯の大きさの組み合わせで決まります。小さなあごに大きな歯が生えてくると、スペースが限られているので、歯並びは悪くなります。

あごの大きさと、歯の大きさ、それぞれをどちらの親から引き継ぐかによって、歯並びは変わってきます。また、最近は栄養状態がよくなって歯が大きくなっているので歯並びの問題が出やすいのではないかという指摘もあります。

矯正を始める時期は、歯並びの状態によって違います。歯の向きがちょっと悪いとか見た目の問題だけの場合なら、永久歯に生え変わってから治療します。上下の噛み合わせがうまくいっていない場合は、乳歯のときから治療を開始することもあります。

噛み合わせや歯並びで気になることがあったら、自治体の歯科健診のときに相談したり、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

Q14.よい歯医者さんを選ぶコツを教えてください。

子どもの歯の治療は、できれば日本小児歯科学会が認定した小児歯科の専門医を選ぶと安心でしょう。子どもの歯の治療や、子どもとの接し方も慣れています。

でも、専門医の数はまだまだ少なく、家の近くには見つからない地域も多いでしょう。専門医ではなくても、子どもの治療に熱心に取り組んでいる先生は大勢いますから、専門医にこだわり過ぎることはないと思います。

まずは地域のママたちと情報交換をして、子どもをよく診てくれると評判の歯医者さんを捜しましょう。

虫歯になってからあわてて歯医者さんを探して連れていくと、子どもは緊張してしまいますし、はじめて歯科にかかったときに痛い治療をすると歯医者さんが嫌いになってしまいます。普段から定期的に歯の健診を受けに行って、雰囲気に慣れさせておくことをおすすめします。

いろいろな病院・医院で健診を受けてみると、子どもと相性のいい、信頼できる歯科に出会うきっかけにもなりますよ。

(2008年12月から掲載)

「子どもの歯のはなし」の記事一覧

  1. 歯の役割
  2. 図解!乳歯のしくみ
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