妊娠中の花粉症治療
妊娠中は体のバランスや体質が大きく変わります。
そのため、花粉症や鼻炎などアレルギー症状が前よりもひどくなったり、妊娠をきっかけに花粉症になってしまうことがあります。
でも、妊娠中は胎児の体がつくられる大切な時期……花粉症の治療にも注意が必要です。
原則として妊娠4ヵ月の半ばまでは、薬を用いることは避けた方が安全といわれています。まずは、薬を使わないセルフケアで症状をおさめることから始めましょう。
妊娠中期に入ると、基本的に、新生児に使える種類の薬は妊娠中の人にも使えるようになります。セルフケアをしても症状が治まらず、苦痛に感じるようであれば、薬での治療も考えられます。
また、最近は「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」などの漢方薬を早い時期から内服して、治療する方法もあります。でも、自己判断で市販薬を使ったり、家族に処方された薬を借りたりすることは絶対にやめてください。
花粉症治療薬は数多くありますが、医師は注意して妊娠中の人に薬を処方しています。花粉症で悩んでいる場合は、まず、必ずかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
ただし、もし妊娠初期に気がつかずに花粉症の薬を飲んでいたとしても、胎児への影響は心配しすぎないでください。実際に胎児に影響を与えるのは、妊娠初期に抗がん剤などの一部の薬を使った場合だけです。
でも、妊娠に気がついたら服用をやめて、産婦人科の主治医に飲んでいた薬を見せて相談するといいでしょう。
(2007年4月から掲載)