自分で自分を癒す方法
産後うつになるのは、がんばりすぎる性格や、養育歴などが関係している場合もある、とお話しました。過去の心の傷は、出産という大きなストレスを機に再発しやすいので、できれば元気なときに、過去を振り返り、その傷と向き合う練習をしておきましょう。
自分が親を恨んだできごとや、女性として生まれてきたことを否定されたできごとを、思い出してみましょう。「あのとき、あんなこと言って欲しくなかった」「あのときなぜ、こうしてくれなかったのだろう」「本当はあのとき抱きしめて欲しかった」……。
ここで大事なのは、自分が理想のお母さんになることではありません。自分と母親との関係を見つめなおす作業です。
過去を変えることはできません。今さら親に言ってみたところで、親を変えることはできません。でも、こうして過去を整理することで、心の傷や歪みを修繕することはできるのです。
これからの考え方を変えるのです。これはそのひとつの方法です。
さあ、今度は自分のそばに、理想のお母さんがいると思ってみてください。あなたがつらいときに、そのお母さんはなんて言うだろう?と想像してみてください。
「あなたは無理をしなくても、そのままで充分素敵でしょ」「がんばらなくてもいいのよ」。理想のお母さんは、そう言ってくれることでしょう。
あなたの右肩には、いえ、左肩でもいいのですけれど(笑)、いつも理想のお母さんがいる。お母さんでなくても、自分をそのまま受け止めてくれるだれか、私でもいいですよ(笑)、そういう人がいつもそばに付いていてくれる――。ふだんからそういう練習を重ねておくと、自分で自分の傷を癒せるようになっていきます。
(2011年11月から掲載)