周期が多少ずれても大丈夫

月経周期は25日~38日以内なら正常…では、「先月は27日、今月は34日」と周期が変動する場合は?

人の体はマシンのように正確ではありません。月経周期が25日~38日の間であれば、6日程度の変動があっても正常と判断します。

月経にかかわるホルモンの分泌は、ダイエットによる急激な体重減少や、身内の不幸や仕事のストレス、失恋など、ちょっとした身体的・精神的な影響を受けて変化します。その要素は私たちの日常生活にいくつもあるので、多少、月経周期がばらばらでも、周期が正常の範囲内なら、心配する必要はありません。これは医学的には「月経不順」とは呼びません。

ただし、妊娠を希望している人にとっては、月経周期が変動するとセックスのタイミングをとるのが難しいという悩みがあります。

まず、数ヵ月間、基礎体温をつけてみましょう。基礎体温表によって、排卵日を事前に予測することはできませんが、自分の排卵日がだいたいいつ頃なのか傾向をつかむことができます。基礎体温が一度下がってからぐんと上がって高温期に入るまでのどこかで、排卵されています。毎月の平均的な排卵日を割り出し、その前後を狙ってタイミングをとりましょう。

でも、卵子の寿命は24時間、精子の寿命は2~3日ですので、排卵日を厳密にとらえることはありません。昔の人は排卵日など知りませんでしたが、ちゃんと子孫を残しています。あまり神経質に考えず、だいたいの排卵日をつかんでおく程度でいいでしょう。

また、排卵される2、3日前から、サラサラとしたおりものの量が増えるので、それをタイミングをとる目安にすることもできます。サラサラおりものは、精子が子宮を泳いで上りやすくするために分泌されるものです。

こうした方法を1~2年試してみても妊娠に至らない場合は、他に不妊の原因があるかもしれません。受診して調べてもらうといいでしょう。

病院では、より確実に排卵日を予測する方法として、血液中の黄体ホルモン(LH)を測定して排卵日を予測したり、超音波検査で卵胞の大きさを測る方法をとっています。

(2011年2月から掲載)