月経痛の薬の選び方

月経中に、腹痛や腰痛を感じたり、イライラする、憂鬱になる、体がむくむなど、心身の不調は、健康な人でも起こるものです。体操やウォーキングなどの軽い運動をすると、血液の循環がよくなり、気分転換にもなって、症状がやわらぐこともあります。リラックスして過ごすことも大切です。

月経痛は、月経血のなかに含まれる「プロスタグランジン」という局所ホルモンの仕業です。プロスタグランジンは、子宮を収縮させる働きがあり、筋肉がギューッと縮こまって痛くなるのです。プロスタグランジンの生成を抑制する鎮痛剤「抗プロスタグランジン製薬」を飲むと、症状は治まります。

病院で処方する抗プロスタグランジン製薬には、ロキソニンやボルタレン、ボンタールなどがあります。市販の鎮痛剤を使う場合も、抗プロスタグランジン薬が含まれているものを選ぶといいでしょう。薬剤師に相談してください。

鎮痛剤の服用がクセになったり、効きにくくなることはありません。月経痛は無理に我慢せず、つらいときは鎮痛剤を飲んで快適に過ごしましょう。

ただし、月経痛があまりにも重く、「動けない」「一日中何もできない」など日常生活や仕事に支障をきたす場合は「月経困難症」といいます。

この治療には、鎮痛剤のほかに、原因となる排卵自体をストップさせるピルの服用が効果的です。

また、重い月経痛の裏には、子宮内膜症や子宮筋腫など子宮の疾患が隠れているケースが多いのです。「鎮痛剤を飲んでもあまり効かない」、「痛みが年々強くなり、薬を飲む量が増える」「出血量が多い」「月経前にも痛みがある」といった症状が一つでもある場合は、産婦人科を受診しましょう。

(2011年2月から掲載)