上手な読み聞かせテク
声色は使い分けた方がいい?
読みかせのときには「登場人物ごとに声色を使い分けた方がいいの?」と、ママたちからよく聞かれます。
もちろん、できる人はやってもいいですが、無理にがんばる必要はありません。セリフ部分のみ声を変えるだけでもいいし、特に変化をつけなくても赤ちゃんは充分に楽しんでくれます。
むしろ、あまり気合いを入れすぎないほうがいいでしょう。ママが、かわいいうさぎちゃんの声から、次の瞬間、突然おそろしい鬼に変わったりすると、子どもは「ママ怖い・・・」と引いてしまい、絵本を読むのをイヤがることにもなりかねません。
読み聞かせの会で、ある女優さんが迫真に迫る演技で絵本を読んで、子どもたちがとても怖がってしまったのを見たこともありますよ(笑)。
赤ちゃんが楽しんでいるかどうか?表情や反応も見ながら読んであげてください。
揺らしたり隠したり・・・
ふつうにページをめくりながら読んであげるだけでもいいのですが、ちょっと工夫するだけで、赤ちゃんをぐっと絵本の世界へひき込むことができます。
たとえば、『だるまさんが』(作・絵:かがくいひろし/ブロンズ新社)では・・・
かわいいだるまがずらり並んで、体を左右に揺らしているシーンでは、絵本もゆらゆら揺らして見せてあげましょう。
世界中で大人気の『はらぺこあおむし』(作・絵:エリック・カール/訳:もりひさし/偕成社)も、来日した作者のエリック・カール氏本人に、“隠しながら”読む方法を教わりました。
あおむしがフルーツを食べていくシーンがありますが、右側のページはいったん後ろに折って隠してしまいます。
りんご、なし、すもも、いちご、オレンジが、1個ずつ描かれている小ページを、順番に後ろから出して見せていくと、子どもは大喜び。ぜひ試してみて下さい。
めくるときにひと工夫
読み聞かせのときにぜひやって欲しいのが、赤ちゃんへの声かけ。
登場人物たちがご飯を食べているシーンでは、「おいしそうだねぇ」、「○○ちゃんの好きないちごもあるね」とか、動物が出てくる絵本なら「ぞうさんはお鼻が長いね~」、「あ、こんなところにてんとう虫さんがいるよ」と。赤ちゃんは、ママのこんな声かけで絵本の楽しみ方がわかってきます。
また、ページをめくるたびに、ストーリーがどんどん展開していくような絵本は、めくる瞬間にちょっとしたアドリブを入れてあげると効果的。
たとえば『がたん ごとん がたん ごとん』(作・絵:安西水丸/福音館書店)。走る電車に、スプーンや哺乳びん、りんごやバナナ、ねずみやねこなどが「のせてくださーい」と、次々と乗り込んできます。
ページをめくるときに、「どうぞ~」とか「次はだれかな?」など言葉を添えると、ワクワク感が高まります。
プチお話会を開こう
お家にある絵本の読みかせに飽きてきちゃったかな・・・というときは、お友達親子を誘って「プチお話会」を開くのもおすすめです。
絵本を持ち寄って、ママが代わりばんこに読み手になってください。いつもの絵本でも、よそのママに読んでもらったり、他の子と一緒に楽しむことで新鮮に感じるものです。
お家でも、たまにはパパや、おじいちゃん、おばあちゃんに読んでもらいましょう。同じ絵本でもまた違った印象になります。
そんなときは、ママも赤ちゃんと一緒に聞き手に回って楽しんで。大人になってから、だれかに絵本を読んでもらうのもなかなかいいものです。
どんな姿勢がいい?
まだ小さいうちはママの膝の上で抱っこしながら、お座りができるようになったら紙芝居を見せるように対面式にするのもいいでしょう。
ママの膝の上は安心感でいっぱい。赤ちゃんもリラックスして楽しむことができます。ママは本のページの右上、左下の端を持つようにすると、本が安定し赤ちゃんにも見やすくなります。
対面式はママが赤ちゃんの表情を見ながら読める姿勢。本の中央(綴じてあるところ)の下部を片手で支え、もう片方の手でページをめくっていくとスムーズです。
ママと赤ちゃんが一緒に並んで座って読んでもいいし、ねんねの前ならごろんと横になってもOK。月齢や赤ちゃんの気分に合わせて、リラックスして楽しめる姿勢を工夫してみて下さい。
(2012年3月より掲載)