上手な叱り方
子どもを叱るのってとても難しいもの。感情的に怒ってしまったり、叱ったあともイライラを引きずってしまったり…「これで本当にいいのかしら?」と悩んでしまうこともあるでしょう。
効果的な叱り方を覚えて、子育てで実践してみて!
発達段階を理解して叱る
子どもを叱っても、それが理解できる年齢になっていなければ意味はありません。子どもの発達段階をきちんと理解して叱るようにしましょう。
たとえば、1歳の子が手づかみで食べるのを「行儀が悪い」と叱っても、この時期では、スプーンもフォークもうまく使ないのが普通。手づかみで食べることを通して、上手にスプーンやフォークが使えるようになるのです。
大人が子どもの発達段階を理解せずにひどく叱ると、子どもは訳がわからずネガティブな感情だけが残ってしまいます。訳がわからないまま叱られる機会を少なくすれば、親子ともに気持ちよく過ごせる時間が増えますね。
わかりやすい言葉で叱る
子どもがごはんをこぼしたり、ひっくり返したりすると、「何やってるの!もうあげない」「いいかげんにしなさい!」と怒りがちですが、子どもは何で怒られたのか意味が分かりません。ママの機嫌が悪い、自分が否定されたという気持ちだけが残り、教えたいことは伝わっていません。
また、「何で叱られてるのか言ってごらん!」と叱ると、子どもは「ぼくが悪いことをしたから」と言いますが、この場合も、子どもは何がいけなかったのかきちんと理解しているわけではないんですね。
叱る時は、いけないことを具体的に伝えることが大切。前述のごはんの例では、「わざとこぼすのはやめてね。食べたくないならそのまま残しておきなさい」と言うようにしましょう。
その場で叱る
子どもが外で悪いことをした時、人前で叱るのは恥ずかしいので、家に帰ってから叱るときがありますね。
でも、子どもはその場でなければ分からないんです。「あの時、どうしてあんなことをしたの!」と言っても、子どもはもうすっかり忘れていて、思い出すことはできません。後になって叱られると、嫌な気持ちだけが残ります。悪いことをしたら、その場できちんと叱りましょう。
そして、叱った後はそのことを引きずらず、すぐに気持ちを切り替えるように意識しましょう!サッパリ切り替えたほうが、叱った効果もあるんですよ。
行為自体を叱り、性格は否定しない
ケンカをしてお友だちを噛んだりした時に「なんて、乱暴な子なの!」「そんな子はキライ、お母さんの子じゃない」と、子ども自身を否定してしまうことはありませんか?
この叱り方をすると、子どもは「噛んだことが悪い」というよりも、自分が否定されたことが心に残ります。親にとっては大した意味のない言葉でも、子どもは深刻に受け止めてしまうことがあるんです。思い出してみてください、自分が子どもだった頃、このようなことを言われてショックだったことありますよね。
「オモチャの取り合いになったのね。でもお友だちを噛むのはダメよ。ほら、傷ができて泣いてるでしょ」と、いけない行為だけを叱りましょう。
感情的になっても、突き放さない
叱っていると次第に感情的になり、冷静ではいられなくなってしまうものです。真剣になればなるほど、感情が入ってしまうは当然。親だって人間、こうゆうことだってありますよね。
でも、その後に怒りっぱなしで子どもを無視したり、突き放してしまわないように、気をつけましょう。突き放されると、子どもはどうしたらいいかわからず、絶望的な気持ちになります。子どもを叱ることと、傷つけることは、全く別ものなのです。
きつく叱ってしまったあとでも、子どもの目を見て、手を取り合ったり、スキンシップをしてフォローしてあげてください。そうすれば、親子の関係はちゃんと回復します。
ちなみに、「どうしてこんなことしたの。お母さん、悲しいわ」と悲しい気持ちを素直に出すのはいいことです。子どもは相手の気持ちを汲んで理解するということを覚えていきますよ。