妊娠期別・ドクターの視点

超音波検査でドクターがみているポイントをチェック。

妊娠初期1~4ヵ月(妊娠0~15週)

妊娠しているかどうかのチェックが、まず肝心。胎嚢(たいのう:赤ちゃんのもとである胎芽が入っている袋)が、あるかを確認します。

また、胎嚢が子宮のなかに収まっているかも重要ポイント。子宮や卵巣に子宮筋腫や卵巣嚢腫(のうしゅ)などのトラブルがないかも、初期の検査では見逃せません。

ポイント

  • 胎嚢(たいのう)が子宮内にあるかどうかを確認し、子宮外妊娠でないかを診断。
  • 心拍(心臓の動き)を確認する。
  • 胎嚢や心拍をよく確認し、胎嚢の数などから双子、三つ子ちゃんといった多胎妊娠であるか否かをチェックする。
  • 子宮、卵巣にトラブルがないかをチェック。
  • 頭のてっぺんからおしりまでの座高を測り、妊娠週数と出産予定日を算出する。

妊娠中期5~7ヵ月(妊娠16~27週)

体の成長や内臓や器官が、急ピッチで作られる時期。ドクターは、胎児の成長の具合や、元気であるかなどを、細かく見ています。ママの体でも、胎盤が作られる大切な期間なので、胎盤が正常な位置にあるかなども、超音波検査では欠かせないポイント。しっかり、見てもらいましょう。

ただし、性別は、基本的に学会や国の方針で知らせないことになっていることは心得ておきましょう。

ポイント

  • 胎児ちゃんのCRL(頭殿長・頭からおしりまでの座高)を測り、妊娠週数と出産予定日を算出する。
  • 胎児心拍の確認。2Dの超音波をパルスドップラー(血液の流れが波形で現れる)に切り替え、1分間の胎児心拍数(FHR)をチェック。
  • 双胎(そうたい)の膜性(まくせい:羊膜と絨毛の数)を診断。まずは胎嚢(たいのう)と胎児像の数をチェックし、多胎妊娠であるかを確認。多胎妊娠が判明した場合、絨毛(胎盤)と羊膜の数も確かめる。
  • 羊水の量をチェック。胎児ちゃんの腎臓機能が順調に発達しているかを羊水の量から判断。

妊娠後期8~10ヵ月(妊娠28~39週)

赤ちゃんらしくなってきた、我が子に会える楽しみな時期。でも、ドクターにとっては、胎児が新生児として生まれても育っていけるかなど、超音波検査はさらにシビアなものに。胎児の発育状態や健康状態などをチェックします。

また、ママの子宮環境が、胎児にとっていい状態か、安全なお産につながるかを確かめます。そのため、胎盤や羊水の検査も超音波検査では欠かせない項目です。

ポイント

  • 胎児の発育を測定する。
  • 心臓、腎臓、肝臓、胃、膀胱などの働きを確認する。
  • 先天的な病気や奇形がないかを見る。
  • 胎児の体重を推定(推定体重)。
  • 子宮、胎盤をチェックし、子宮頸管無力症、前置胎盤などを早期発見する。

(2006年9月から掲載)