超音波検査Q&A

超音波検査についての素朴な疑問にお答え!

Q1.超音波を使うと、なぜ、子宮の中まで映るの?

A.超音波検査に使う音波は、16000ヘルツ以上で、私たちには聞こえない音の振動のことです。超音波はものに当たると、そのものの性質により、反射、もしくは直進するので、そのものの断層像を作りあげることができるのです。同じような原理で、海では魚の群れを探す魚群探知機として超音波が活躍しています。

超音波は、かたいものに当たると反射し、やわらかいものに対しては直進する性質をもっています。そのため胎児ちゃんの骨に当たると反射して白く映り、やわらかい羊水や内臓は、超音波が垂直に進むため、黒く映るのです。見慣れないうちはエイリアンみたいに見えてしまうけれど、熟知してくると、わが子の手の動きや表情までわかるようになりますよ。

Q2.出産予定日はいつわかるの?

A.出産予定日は、妊娠初期に判定します。「そんなに早く決まってしまうの?」と驚くママが多いのですが、一般的に、12週未満の胎児には個体差が少ないため、むしろ大きさから割り出すことが容易なのです。ところが、妊娠中期以降になると、胎児の発育はその子によって違ってきます。中期以降は、CRL(頭殿長・頭のてっぺんからおしりまでの座高)やBPD(児頭大横径・頭の左右の幅)を測定し、胎児の発育をチェックしますが、この段階では、すでに胎児に個体差が現れるため、大きさから正確な妊娠週数や出産予定日を割り出すことは難しくなってしまいます。妊娠初期に超音波検査で割り出された出産予定日は、かなり信頼できます。妊娠初期は、是非、超音波検査を受けてください。

Q3.妊娠週数が前回の検査と違っているのはなぜ!?

A.超音波写真を見ると、アルファベットAGEの後に数字で妊娠週数が記されていますね。たとえば、24w6d+_1wとあれば、24週6日、誤差が1週間というふうに。超音波写真に記された妊娠週数とは、BPD (児頭大横径・頭の左右の幅)やFL(大腿骨長・太もものつけ根からひざまでの長さ)を測り、それぞれの標準値から割り出された数値が、平均妊娠週数として自動的に表記されてきたものです。しかし、ここには約10%の誤差があるといわれています。この誤差は、それぞれの胎児の成長には個体差があるために生じるものでもあります。妊娠週数が前回と違っていると「なぜ?勘違い?」とか「赤ちゃんの発育が悪いのかしら」と悩むママもいますが、心配いりません。

Q4.胎児ちゃんが映りにくいのは、ママが太ったせい?

A.超音波検査は、おなかに経腹プローブをあてて超音波を通過させ、子宮内を画像にするものです。そこで脂肪が厚くなりすぎると、超音波は通過しにくくなり、鮮明な画像が望めないことがあります。脂肪の厚さによっても条件が違いますが、ドクターが判定するのに困難なことも…。中期以降は、体重管理に気をつけて、可愛い赤ちゃんとご対面したいものですね。

Q5.超音波検査って、検診のたびにやるものなの?

A.超音波検査の頻度は、病院や産院によってさまざまです。ドクターが検査でチェックしているのは、胎児の成長や健康状態ですから、ドクターがこれでOKと判断すれば、毎回行わなくてもいいのです。検査費用は、検査機器の種類や出力方法など、病院によって違います。あらかじめ確かめておくと安心ですね。

Q6.超音波っておなかの赤ちゃんに悪い影響はないの?

A.超音波検査に使われている超音波とは、音の振動です。X線やCTスキャンのように放射線という強い電磁波のエネルギーの力を借りるわけではないので、心配されるような人体への影響はないと考えられています。もちろん、おなかの赤ちゃんにも安全と判断された機材を使っていますから、安心して検査を受けてください。また、超音波を通過した際に、胎児が反応するということもないといわれています。超音波検査の最中に、まれにパッと目をあけたり、手を広げたりする我が子の様子を画像で見て「驚いた」ように思われたのかもしれませんね。

Q7.毎回違う角度で撮っているみたいだけれど、同じポーズでは撮れないの?

A.週数が増すごとに、成長し、体の動きも活発になり、さらに羊水もふえてくるため、前回と同じポーズで超音波画像を撮ることは難しいですね。でも、さまざまな角度から、我が子のしぐさや特徴をみつけ、全貌を想像するのもクリエイティブで楽しいものですよ。

Q8.6週目の検診では袋がふたつ見えたのに、今は、アララ…ひとつだけ!?

A.妊娠初期にはふたつあった胎嚢が、後にひとつしか見えなくなった…。驚いてしまうママも多いのですが、これは『バニシングツイン』と呼ばれ、医学上、珍しくないことです。バニシングの語源は“バニッシュ”という単語ですが、もともとは消える、なくなるという意味。妊娠初期は明らかに双子だった胎嚢のうち、ひとつが育たなかったのです。育たなかった胎嚢は、自然と子宮に吸収されるので、問題はありません。今、現在の胎児は、きっとリタイアした子のぶんまで、すこやかに育ってくれますよ。

(2006年9月から掲載)