予防接種を行う3つの理由
予防接種の目的は、大きくわけて3つあります。
1.子どもを病気から守る
人間は一度、感染症にかかって回復すると、強い抗体を獲得することができます。しかし、抗体を獲得する前に、体が病気に負けてしまって、重い後遺症を残したり、命を落としてしまうリスクがあります。
ワクチンによって抗体を獲得すれば、病気による後遺症や死亡を防ぐことができます。また、もし発症してしまっても、抗体がどんどん作り出されて病原体に対抗するので、重症化を防ぐ効果も期待できます。
2.周囲への感染を防ぐ
感染症を発症すると、家族やお友達など、周りの人にうつしてしまう可能性が高いのです。ワクチンを打つことによって、「自分自身が感染しない⇒周りの人に感染させない」という社会的な意味があります。接種する人の数が増えるほど、その病気にかかる人が減ります。
世の中は、体のじょうぶな人だけではありません。生まれつき体が弱い人、重い病気にかかっている人、免疫力が低下している赤ちゃんや妊婦さん、老人もいます。そういう「弱者」を病気から守ることにもつながります。
3.病気の根絶につながる
ワクチンによって確実に免疫をつけることができれば、その病原体を根絶することができます。かつて世界的に大流行し、不治の病として恐れられていた「天然痘」という病気は、ワクチンによって撲滅されました。現代では、「ポリオ」や「麻疹(ましん・はしか)」は、ワクチンが普及すれば根絶できると考えられています。
(2012年5月から掲載)