こんなときは接種前に医師に相談を
次のいずれかに当てはまる場合は、接種の可否について医師が慎重に判断します。
卵やゼラチン、その他ワクチンに含まれる成分にアレルギーをもっている
事前に、ワクチンの成分を皮膚につけて反応をみる「皮内テスト」をして、接種の可否を慎重に判断します。アレルギーが軽い場合は、ワクチン接種による利益のほうが上回ると判断し、接種します。
熱性けいれんを起こしたことがある
発熱とともにけいれんを起こす「熱性けいれん」の既往がある場合、念のため最終発作から1ヵ月ほど経過観察をしたのち、通常通りの接種を行います。(ただし主治医によっては数カ月後から)
発熱の副反応が多いワクチンの場合は、予防的に抗けいれん剤を投与します。なお、ワクチン接種後に熱性けいれんを起こしても、脳障害やてんかんに発展するケースは報告されていません。
重い慢性疾患がある
てんかんや、先生性免疫不全、小児ガン、腎臓疾患、肝臓疾患、呼吸器疾患、心疾患、内分泌疾患、膠原病、糖尿病、先天性代謝異常、血友病、神経・筋疾患、消化器疾患など、慢性の持病がある場合は、予防接種について主治医に相談しましょう。
一般的には、慢性疾患をもつ子どもは感染症にかかると悪化しやすいため、予防接種の利益のほうが上回ると判断されますが、子どもの体調や治療の状況など考慮しながら、接種時期を判断します。
薬を服用している(生ワクチンの場合)
副腎皮質ステロイド剤(飲み薬)や免疫抑制剤を服用している場合、からだの免疫力が低下していて、生ワクチンに含まれるウィルス・細菌で発症してしまうことがあります。ただしステロイド剤でも、塗り薬や点鼻薬・点眼薬の場合は、接種に支障はありません。
また、川崎病や紫斑病などで、免疫グロブリン注射や輸血をした場合も数ヶ月間、生ワクチンは接種できません。
(2012年5月から掲載)