代表的な副反応とその対処法
予防接種が引き金となって起こる症状を、「副反応」と呼びます。副反応のほとんどは、数日間で回復する心配のいらない症状ですが、まれに重い副反応が出ることもあります。
一般的な副反応
1.接種した部位の変化
接種した部位に、腫れ、赤み、水疱、しこり、痛み、かゆみの症状が現れることがありますが、まったく心配いりません。患部を冷やしたり、シップするなどして様子をみましょう。1週間ほど経っても軽快しない場合や、腕全体が腫れ上がるなど症状が重い場合は、接種した医療機関を受診しましょう。
2.全身の過敏症状
接種後に、発熱、蕁麻疹、発疹がみられることがあります。これはワクチンの成分に対する軽いアレルギー反応が原因と考えられています。2日間ほどの発熱でいつも通り元気なら心配いりませんが、長引いたり、ぐったりしているときなどはすぐに受診を。蕁麻疹や発疹は、接種を行った医療機関を受診してください。
特に治療の必要のないケースが多いのですが、症状の程度によっては、解熱剤や抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を処方します。症状が出ても次の接種を控える理由にはなりませんが、医師は注意して接種を行うので必ず伝えましょう。
※症状のすべてが、必ずしもワクチンが原因の「副反応」とはかぎりません。「接種後にたまたま別の感染症で発熱した」という「まぎれ込み」の可能性も高いと言われています。
重大な副反応
1.アナフィラキシー
数十万人に1人の確率で、ワクチンの成分に対する重篤なアレルギー反応があらわれることがあります。接種後30分以内に、皮膚の紅潮や蕁麻疹、めまい、意識障害、血圧低下、呼吸困難、窒息などの症状があらわれ、命にかかわる疾患です。すぐに救急車を呼びましょう。
2.血小板減少性紫斑病
100万人に1人という極めてまれなケースですが、血液中の血小板が少なくなり、出血しやすくなることがあります。皮下出血(青あざ)が体中に出来たり、鼻血や吐血が続くと、この病気のサイン。すぐに受診してください。
上記以外にも、ワクチンの種類によってさまざまな副反応があります。不安になるかもしれませんが、ワクチンによる副反応と、接種をしないでその病気にかかったときの症状をくらべると、病気にかかるほうが重症化のリスク(後遺症や死亡)が高いのです。もし、病気そのものよりワクチンのリスクのほうが高い場合は、そのワクチンは使用されなくなります。
(2012年5月から掲載)