小児用肺炎球菌ワクチン(PCV13)/定期接種
予防する病気
肺炎球菌による髄膜炎や中耳炎など
細菌性髄膜炎の20~30%、菌血症の80%、肺炎の30%、細菌性中耳炎の30%が、肺炎球菌によって起こる。特に肺炎球菌による髄膜炎は重症化しやすく、5歳を過ぎてから発症することもある。2000年からこのワクチンが定期接種となったアメリカでは、肺炎球菌による重い感染症が98%減少。
※高齢者用の肺炎球菌ワクチンは、子ども用とは薬剤が異なる。
※2013年10月までは「7価」、2013年11月以降は「13価」のワクチンを使用。
ワクチンの種類
不活化ワクチン
接種方法
皮下注射
理想の接種期間
生後2ヵ月~7ヵ月未満で接種開始。4週以上の間隔をあけて3回、生後12ヵ月までに接種。3回目から60日以上の間隔をあけて、生後12~15ヵ月で1回。計4回接種。
対象年齢
生後2ヵ月~9歳以下
生後7ヵ月以降に接種する場合、スケジュール・回数は以下の通り。
生後7ヵ月~11ヵ月
生後13ヵ月までに1回目から4週以上の間隔で2回接種。2回目から60日以上の間隔をあけて、生後12~15ヵ月で3回目。
1歳
1回目から60日以上の間隔で2回目。
2~9歳
1回。
一般的な副反応
- 接種部の赤み、接種部のしこり・腫れ
- 37.5度以上の発熱。多くは1~2日で下がるが、元気がない場合は受診を。
- 易刺激性(興奮しやすい)、傾眠(眠りがち)
重大な副反応
アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫、顔面浮腫、咽頭浮腫など)、けいれん、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明)
注意
- 細菌性髄膜炎は乳児に多いため、できるだけ早めの接種が勧められる。
- 国内においては、このワクチンで、肺炎球菌による中耳炎と肺炎の予防効果は確認されていない。
- 四種混合ワクチンやヒブワクチン、ロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチン等との同時接種が推奨されている。
- 接種後に違うワクチンを接種するときは6日以上の間隔をあける。
- 6歳未満で旧タイプ(7価)のワクチンを既定の回数完了している場合、最後の接種から8週間以上あけて新タイプ(13価)を1回追加接種すると、より多くの種類の肺炎球菌を予防できる。
ワクチンの製造メーカー
ファイザー社
(2012年5月から掲載、2014年1月改訂)