BCGワクチン/定期接種
予防する病気
乳幼児期の結核(けっかく)。
咳やくしゃみなどの飛まつから結核菌に感染。長引く咳や微熱、痰(たん)の症状から始まり、次第に肺が侵されて、息切れ、血痰、呼吸不全などの症状が現れる。やがて腎臓やリンパ節、脳、脊椎など全身に感染する。乳児は重症化しやすく、髄膜炎や粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)を起こすことが多い。
昭和初期までは国内の死亡原因の1位。現在では治療薬があり重症化は減少しているものの、他先進国より感染者が多い状態が続いている。毎年約2万3,000人が発症、約2,000人が死亡。
ワクチンの種類
生ワクチン(生きた病原体の毒性を弱めたもの)
接種方法
スタンプ式の缶針法(かんしんほう)。ワクチンを皮膚にたらし、その上から針のスタンプを押し当てる方法。
理想の接種期間
生後5ヵ月~生後8ヵ月末までに1回接種。
定期接種の対象期間
生後間もなくから、生後11ヵ月末日まで。
一般的な副反応
- 接種直後から数日中に、発疹やじんましん、紅斑 、かゆみ等があらわれることがある。
- 接種後2~3週間で、接種したあとが腫れたり膿むことがあるが、通常は3ヵ月以内に消失する。
- 接種後1~2ヵ月後に脇の下のリンパ節が腫れることがあるが、6ヵ月以内におさまる。
重大な副反応
アナフィラキシー、骨炎、骨髄炎など。免疫不全の人が接種すると、全身に粒状の病変ができることがある。
注意
- BCG接種は「決められた日に集団接種する」「指定の医療機関を受診して接種する」「保健所で接種する」等、地域によって異なる。
- 先天性免疫不全の子どもは接種不可。免疫抑制剤やステロイド剤(飲み薬)を服用している場合も不可。
- BCGよりも四種混合や、ヒブ、肺炎球菌を優先して接種することが勧められている。
- BCG接種後に、種類の違うワクチンを接種する時は、4週間以上の間隔をあける。
- 接種後10日以内に針跡が赤く腫れて膿んできた場合(コッホ現象)は、結核に感染している可能性があるため医療機関を受診する。
- 接種後2~3週間後から接種痕が腫れたり膿むことがあるが何もせず様子をみてよい。3ヵ月経っても治らないときは医療機関を受診する。
- 以前は、接種前にツベルクリン検査をして陰性を確認後に接種していたが、2005年4月から省略している。
ワクチンの製造メーカー
日本ビーシージー製造株式会社
(2012年5月から掲載、2013年4月改訂)