[新]四種混合ワクチン(DPT-IPV)/定期接種
※2012年11月から、「三種混合ワクチン」「不活化ポリオワクチン」に代わって、定期接種に導入されました。
予防する病気
百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ
百日せき
風邪の症状から始まり、激しい咳の発作が1日に何度も起きる。呼吸困難や嘔吐、肋骨骨折、失神、肺炎、脳症も。5歳未満は重症化しやすく、乳児の死亡率が高い。近年、成人の発症が増えており、新生児・乳児への感染が懸念されている。国内の年間罹患数は推定2万人。
ジフテリア
犬がほえるような咳が続き、筋力の低下や嘔吐もみられる。窒息死や心筋炎による突然死、神経麻痺、失明を起こすことも。致死率は5~10%。国内では1940年代に年間約8万人が感染していたが、ワクチンの普及により現在では非常にまれな病気。
破傷風
土壌に広く生息する破傷風菌が傷口から体内に侵入し、毒素によって神経がおかされる。口が開かなくなり、呼吸困難や頚部硬直、痙攣などに発展。乳児は60 ~90%が10 日以内に死亡。国内では1年間約40 人の成人患者が発生。
ポリオ
感染者の90~95%は発症せず、約5%は発熱や下痢、嘔吐等の症状で済むが、約1~2%が髄膜炎を発症。手足に麻痺を起こしたり、呼吸困難によって死亡する。治療法はない。国内では野生ウィルスが根絶されたが、アフリカやアジアからのウィルス持込が心配されている。
ワクチンの種類
不活化ワクチン、トキソイド
接種方法
皮下注射
理想の接種期間
初回
生後3~12ヵ月までに3~8週間で計3回接種。
追加
3回目接種から6ヵ月以上の間隔をおいて4回目を接種。
定期接種の対象期間
生後3ヵ月~90ヵ月(生後7歳5ヵ月まで)。
一般的な副反応
発熱(46.7%)、接種部の赤み(69.1%)、しこり(52.1%)、下痢(25.5%)、嘔吐(7.3%)気分変化(28.6%)、発疹(11.2%)、鼻漏(13.5%)、食欲減退(10.0%)、喉の赤み(8.9%)など。ほとんどは接種後3日以内に見られる。
重大な副反応
ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)、急性血小板減少性紫斑病(0.1%未満)、脳症(頻度不明)、けいれん(0.4%)。(従来の三種混合と同じ)
注意
- 2012年11月以降にはじめて接種する子どもは、この四種混合ワクチンを接種する。
- 「三種混合」「不活化ポリオ」を一度でも接種したことがある子どもは、四種混合は接種不可(2012年9月時点の情報)
- 弱毒性で感染力が弱い「セービン株」というポリオウィルスを使用。セービン株を使った不活化ポリオが開発されたのは世界初。
- 「ヒブ」、「小児用肺炎球菌」、「ロタウイルス」、「B型肝炎」等と同時接種を推奨。
- 接種後に、種類の違うワクチンを接種する時は、6日以上の期間をあける。
ワクチンの製造メーカー
アステラス製薬、阪大微生物病研究所
(2012年9月から掲載)