麻疹・風疹混合ワクチン(MR)/定期接種
予防する病気
麻疹(ましん・はしか)、風疹(ふうしん)
麻疹
38度程度の発熱や風邪、結膜炎、口内の1mmほどの白斑(コプリック斑)から始まり、やがて高熱とともに体幹や顔をはじめ全身に、やや膨らんだ赤い発疹が現れる。咳や鼻水、脱水の症状も。発症者の30%が、ウィルス性脳炎や肺炎、気管支炎、心筋炎、中耳炎などを合併。毎年、数十人が死亡。特に大人や妊婦は重症化しやすい。
発症から7~10年後に、中枢神経が侵される「亜急性硬化性全脳炎」を発症して死亡することがある。
風疹
症状は比較的軽く、発熱、リンパの腫れ、発疹など3日間でおさまる。0.1%以下の確率で脳炎を合併。妊娠初期に初感染すると、胎児の難聴や白内障、心疾患など「先天性風疹症候群」を発症することがある。2012~2013年に主に成人の間で流行した結果、先天性風疹症候群の報告が急増している。
ワクチンの種類
生ワクチン
接種方法
皮下注射
理想の接種期間
第1期は、1歳になったらなるべく早く接種する。
定期接種の対象期間
第1期
生後12ヵ月~24ヵ月末までに1回
第2期
小学校就学前の1年間(5歳以上7歳未満)で1回
第3期
中学校1年生で1回(平成24年度で終了)
第4期
高校3年生で1回(平成24年度で終了)
一般的な副反応
- 接種直後から数日以内に、接種部の腫れや赤みの他、発疹、蕁麻疹などの過敏症があらわれることがある。
- 接種後5~14日後に、1~3日間のだるさ、不機嫌、発熱(約20%)、麻疹様の発疹(約10%)がみられる。咳、鼻汁、目やに、食欲減退、下痢、嘔吐、リンパ節の腫れ、頭痛、関節痛があらわれることがある。
重大な副反応
アナフィラキシー(0.1%未満)、急性血小板減少性紫斑病(0.1%未満)、脳症(0.1%未満)、熱性けいれん(0.1%未満)。また、接種後数日から2週間ほどで、発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害などのアレルギー性の疾患「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」を発症することがある。頻度不明だが極めてまれ。
注意
- 接種後に、種類の違うワクチンを接種する時は、4週間以上の期間をあける。
- 麻疹や風疹の抗体をもっていない成人にも、接種が勧められている。生ワクチンなので、女性は接種後2ヵ月間は避妊が必要。
ワクチンの製造メーカー
阪大微生物病研究会、北里研究所、武田薬品
(2012年5月から掲載、2014年4月改訂)