膜性の種類:二絨毛膜二羊膜

二つの胎盤と、二つのお部屋

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…子宮
…胎盤
…絨毛膜(じゅうもうまく)
…羊膜(ようまく)

絨毛膜も羊膜も、二つずつある状態。二卵性の双子ちゃんの場合、膜性は必ず二絨毛膜二羊膜になります。また、一卵性の双子ちゃんも二絨毛膜二羊膜になることがあります。

基本的に、一つの絨毛膜には一つの胎盤ができます。二つ絨毛膜があるということは、胎盤が二つ……つまり赤ちゃん1人ずつにそれぞれの胎盤がありますから、栄養や酸素がそれぞれに供給されるので、成長も安定し妊娠中のリスクは比較的少ないといえます。

また、羊膜が二つあるということは、赤ちゃんのお部屋が二つにわかれているので、お互いの臍の緒が絡まる心配もありません。

ただし、絨毛膜が二つでも、胎盤が一つになることがあります。これは2通りのケースがあります。

まずひとつは、最初は2つあった胎盤が成長するにつれてくっついて、一つの胎盤に見えるケース(癒合胎盤・ゆごうたいばん)です。この場合、見た目は一つでも、内部の血管はちゃんと二つにわかれていて、それぞれの赤ちゃんに栄養や酸素が供給されるので、心配いりません。

もう一つは、一卵性で、胎盤が一つしかできなかったケース。一卵性の場合、絨毛膜が二つあっても、胎盤が一つしかできないことがまれにあるのです。この場合は、血流が偏って、どちらの赤ちゃんも状態が急激に悪くなるなど、一絨毛膜二羊膜と同じようなリスクがあります。

(2008年7月から掲載)