赤ちゃんの突然死の原因!?

産婦人科で今、問題になっているのは、赤ちゃんが突然死んでしまうSIDS(乳幼児突然死症候群)です。この病気の危険因子としては、

  1. タバコ
  2. うつぶせ寝
  3. ミルク育児

の3つがあげられていますが、タバコは最も大きな要因の1つです。両親ともに喫煙している場合は、喫煙していない場合に比べて4.7倍になるというデータがあるのです(厚生労働省データ)。

また、妊娠中の喫煙が、赤ちゃんの突然死に関係しているという報告もあります。最近の研究によると、タバコの有害物質が、胎児期に肺が作られるときに影響したり、体の細かい構造や神経伝達に問題を起こさせるのではないか、というのです。

ふつうは、うつぶせ寝で鼻や口がふさがって息ができなくなると、「酸素が足りない!」という命令が脳から出て、顔の向きを変えようとしてもがくなど、なんとかして呼吸しようとするものです。ところが、妊娠中の喫煙で胎児の肺や神経伝達などに障害が出ていて、その反応が鈍くなっているのではないかというのです。

海外でも、うつぶせ寝とタバコをやめる、できるだけ母乳をあげましょう、というキャンペーンをやっていて、それから乳幼児突然死症候群は減ってきています。

日本ではこうしたタバコの危険性が、まだ案外知られていない、という気がします。

(2007年5月から掲載)