胎児の発育が遅れる!

ニコチンの血管収縮作用は、胎児の発育も妨げます。胎盤で血管収縮が起きていると、胎児へ十分な血液が届かなくなり、赤ちゃんにちゃんと栄養が届かないのです。喫煙していた人の赤ちゃんのほうが、出生時の体重が少ないというデータも出ています。赤ちゃんが栄養不足になっているのですね。

最近、注目されているのは、「成人病胎児期発祥説」です。これは出生体重の低い子ほど、将来成人病を発症する可能性が高くなるというものです。

つまり、胎内で低栄養だった赤ちゃんは、将来、高血圧や糖尿病などを発症しやすい傾向があり、将来肥満になりやすいというのです。これも、喫煙が関係していると私は思っています。

また、タバコが関連しているだろうといわれているものに、口唇口蓋裂、四肢短縮・欠損、泌尿生殖器系の異常、腹壁欠損などの胎児の奇形もあげられています。

(2007年5月から掲載)