成人病の素因は胎児期にあり!?

「赤ちゃんの将来の成人病発症」は、「成人病胎児期発症説」に基づく研究から明らかになってきました。

これは英国のバーカー先生が初めて示した「成人病は胎児期に素因がつくられる。」という考え方で、栄養学のノーベル賞と言われている「ダノン国際栄養学賞」を受賞しています。

バーカー先生はイギリスで、心筋梗塞や脳梗塞で死亡した人の出生体重を調査しました。すると、出生体重が少ない人ほどこれらの病気での死亡率の高いことがわかりました。

日本では、成人病は「生活習慣病」と名称を改められて、長年の生活習慣によって病気になると考えられていますが、胎児期の栄養と密接に関係している疾患だという認識が世界的に広まり始めています。

イギリス、ニュージーランド、北米、北欧を中心に、大々的にこの見方からの成人病発症に関する疫学研究が行われています。次世代の健康を確保するために欠かせない研究と考えられています。

(2008年8月から掲載)