栄養不足の影響は孫の代まで

子宮内で少ない栄養で育つと、筋肉細胞の数も少なくなります。

そこに、「大きく育て」と必要以上の栄養を与えると、肥満や高血圧、糖尿病などの成人病がおこりやすくなります。大人だって、いきなり過剰な栄養を与えられたら、病気になります。

この地球に人類が誕生してから、これほど栄養状態がよくなったことは、かつてありませんでした。食べ物があふれているような社会になったのは、つい最近のことで、それまでは長い間、飢餓にさらされていたのです。

いまでもこの地球上には、飢餓に苦しんでいる人たちが大勢います。人間は飢餓に対しては強いのです。それに耐えて生き残るために、可能な限り反応するのです。おなかの赤ちゃんもそうです。それが生命の素晴らしいところです。

しかし、胎児期に低栄養で生き抜けるような生体反応が起こった場合、ほぼ3世代にわたって、その影響が続くと言われています。

お母さんがダイエットしてやせた状態で妊娠して、妊娠中に体重を増やさなかったために、3世代、つまり孫の代までの健康に影響を及ぼしてしまうのです。

(2008年8月から掲載)