体格で違う?妊娠中の体重増加

お母さんの栄養不足が小さな赤ちゃんをつくる、とはいっても、赤ちゃんの体重を規定するのは、栄養だけではありません。栄養以外の未知の因子が複雑に影響しあって赤ちゃんの体重を決めていると言われています。

しかし、今、私たちがやれることは、栄養を確実に摂ることです。英国『成人病胎児期発症研究所』の栄養学の先生も、今、私たちにできることは、「栄養だ」と言っています。

2003年の国民栄養調査では、妊娠中は、初期50キロカロリー、中期250キロカロリー、末期は500キロカロリー増やすという目安があるのですが、全妊娠期間を通じておかあさんの摂取カロリーは平均で1870キロカロリーと増えていないのです。

赤ちゃんが大きくなっているので摂るカロリーが増えていくのは当然のこと、と思うでしょうけれど、現実はほとんど増えていません。妊娠初期と末期で摂取カロリーがほとんど変わっていないのです。

「ダイエット」志向がそうさせるのでしょうか。随分カロリーが不足しているのです。少ないエネルギーで他の栄養を充分得られるはずありません。

また、どんなに太っているお母さんでも、妊娠中に体重が増えなくてもいい、なんてことはありません。厚労省の「妊産婦のための食生活指針」が示されていますでので、それを参考にしてください。

簡単に述べると、妊娠中の体重増加量は、妊娠前にやせているお母さん(BMI18.5以下)では、9~12㎏、普通(BMI18.5~25.0)では、7~12㎏、それ以上の肥満の場合は、個別に考える、ということが推奨されています。

(2008年8月から掲載)