不妊の検査や治療法は?原因が見つからなかった場合は?

赤ちゃんが欲しいのに妊娠できないのは、妊娠のメカニズムのどこかに不具合があるから。不妊の原因としては、

  1. 排卵がうまくなされていない
  2. 排卵していても、卵管が通っていない
  3. 子宮内でうまく着床できない
  4. 卵子と精子がうまく受精できない

など。もちろん、精子の数が少ない、元気がないなど、男性側の問題もあります。こういったことを一通り検査で調べてから、治療を進めていきます。

排卵がうまくされているかどうかを調べるには、血液検査をしてホルモンの状態を調べます。卵管が通っているかは、卵管に造影剤を入れてX線撮影を行います。

子宮内がうまく着床できる環境かどうかは、やはり血液検査でホルモンの状態をみます。卵子と精子がうまく受精できるかどうか、また精子の状態がいいかを見るのは、ヒューナーテストという検査で、セックスをした後に病院で内診を受け、精子の運動や精子に対する抗体があるかどうかを検査します。

このほか、超音波検査によって、子宮や卵巣の状態を診たり、細菌感染しているかどうか粘液を取って調べます。

不妊の場合の治療法は?

不妊治療は、原因によっていろいろあります。たとえば、ホルモンの分泌が少なくて排卵がされていない場合、ホルモン剤を飲んだり、注射したりして、正常な状態に戻していきます。

卵管が詰まっている場合は、卵管に空気や水を通して卵管を通過させます。卵管が詰まる原因には、クラミジア感染症や子宮内膜症などがありますが、とくにクラミジア感染症の場合は治療が先決です。クラミジア感染症は、10代~20代に急激に増加していて、自覚症状のないまま進行していく病気なので、要注意です。卵管が完全に詰まってしまっている場合は、卵管を広げる手術をしたり、卵子を体外に取り出して受精させる「体外受精」を行っていきます。

子宮内でうまく着床できない場合は、子宮筋腫が着床をじゃましている、子宮内膜が厚くならないなど、いろんな原因があります。子宮内膜に問題がある場合は、ホルモン剤で治療していきます。

卵子と精子がうまく受精できないのは、子宮頚管という子宮の入口にある粘液に精子を受けつけない抗体が分泌されていたり、粘液が少ないなどの原因が。精子を受けつけない場合は、人工授精といって、子宮の中に直接精子を入れる治療を行います。粘液が足りない場合は、ホルモン剤で治療していきます。

不妊の原因が見つからなかったら?

不妊は、原因に合わせて治療をしていきますが、実は、とくに原因が見つからないのに妊娠できないケースも多いのです。そんな場合は、卵子の発育具合を内診で調べ、タイミングを合わせてセックスするような指導(タイミング法)が行われます。

それでもうまくいかない場合は、排卵する時期を内診でチェックしながら、排卵日に精子を人工的に子宮内に挿入する「人工授精」を行っていきます。人工授精をする際には、精子と出会える卵子が多いほど妊娠できる確率が上がるので、たいていの場合は薬を使い、複数の卵子を排卵するようにします。これを排卵誘発といい、飲み薬の場合と注射で行う場合の2つの方法があります。費用は、薬によっても違いますが、保険適応があるので、その場合は1万円以内でおさまることが多いでしょう。

不妊治療の最終的な方法としては、「体外受精」といって、卵子を体外に取り出して精子と受精させ、受精卵を再び体の中に戻すという方法があります。ここでも排卵誘発が行われます。卵子と精子が自然に受精しない場合は、顕微鏡を使って卵子の中に精子を入れて授精させる「顕微授精」という方法も使われます。

体外受精は、卵管が詰まっている場合や、いろいろ試しても妊娠できないなど、不妊治療の最終手段として有効な治療ですが、1回最低30万円はかかると言われています。また、不妊治療は、年齢によって妊娠率が下がる一方で流産率は高くなり、体外受精であっても30代後半の妊娠率は20~30%程度です。治療を受けるにあたっては、夫婦でどの程度の治療を望むのか、治療は何歳まで、あるいは何年続けるのかなど、よく話し合った上で、2人で取り組んでいきましょう。

(2006年1月から掲載)

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