妊娠悪阻の治療

妊娠悪阻は、症状の進行によって3段階に分かれています。どんな治療をするのか、段階ごとに簡単に説明しましょう。

激しい嘔吐が止まらない(第1期)

何も食べてないのに嘔吐を繰り返し、胃液や胆汁まで吐いてしまう状態です。嘔吐で水分が出てしまうために、尿の量が減り、口の中や皮膚も乾燥するなど、脱水症状があらわれます。体がだるく感じて、めまいがすることも。食欲がわかず、飲食できないために体重も減っていきます。

こうなると、病院で「妊娠悪阻」と診断され、ブドウ糖やアミノ酸、ビタミンB1・B2・B6、ビタミンCなど、嘔吐で失われた水分や栄養を補う点滴治療が始まります。吐き止めの薬や鎮痛薬などで対症療法も同時に行われます。

妊娠継続の不安や家庭環境など、ストレスも影響していると考えられた場合にはカウンセリングなどの心理療法をすることもあります。

体が飢餓状態に(第2期)

第1期の症状がさらに悪化すると、血圧、脈拍、体温が低下し、軽い黄疸(おうだん)が出ることもあります。尿検査をすると、腎機能の障害をあらわす尿タンパクやケトン体が出ます。

ケトン体は体のSOS信号。通常、体はお米や小麦などに含まれる糖分(たんぱく質)をエネルギー源にしていますが、つわりで食事が摂れなくなると、その代わりに脂肪を分解しようと働きます。そのときに発生するのがケトン体。数値が高いほど、体が栄養不足で「飢餓状態」になっているということなんです。

ここまで症状が進むと通常は入院での治療が必要になります。水を飲んでも吐いてしまうような場合には、嘔吐による脱水症状を止めるために絶食することもあります。その間は、点滴だけの生活になります。

症状が改善されてきたら、流動食など食べやすいものから少しずつ食べて、点滴を減らしていきます。

幻覚など脳にも影響が(第3期)

第2期での治療の効果が現れず、さらに症状が悪化した場合には、めまい、不眠、耳鳴り、頭痛、視力障害、幻覚などの脳症状が出てきます。母体の身体が衰弱するために、流産してしまうことも。脳に異常が出ると、つわり自体の症状が改善しても、記憶障害などの後遺症が残る可能性があります。

ここまで至ることはまずありませんが、もし危険な状態と判断されたら、母体を守るために中絶治療することもあります。

「つわり乗り切りガイド」の記事一覧

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