少量の出血に安静は不要!普段通りの生活を

妊娠中の生活が流産に影響するのかどうか、気になる方が多いのではないでしょうか。

結論から先に言うと、妊娠12週までは、安静にしてもしなくても、運動や仕事を制限してもしなくても、流産率は変わりません。ですから、早期流産を経験した方は、どうか「あのとき私が安静にしていれば…」と自分を責めないでください。どんなに気をつけても流産を防ぐことはできなかったのですから。

妊娠12週までは、月経よりも少ない「少量の出血」や軽いおなかの張りがあっても、普通の生活をしてかまいません。会社を休んだり、寝たきりで過ごす必要はありません。

「普通の生活」というのは、その人なりのいつも通りの生活ということです。もともと運動量の多い人は、運動してけっこうです。でも、普段あまり運動をしない人が、妊娠したからといって急に運動をはじめるのはやめたほうがいいでしょう。

「普通の生活」の中に、アルコールやタバコが入っている人は、妊娠がわかったらやめましょう。これらは流産のみならず、妊娠・出産の多くのリスクを上げることがわかっています。薬の使用は医師と相談してください。仕事でX線などに接する機会が多い人や夜勤のある人は、職場に相談して勤務体制を替えてもらいましょう。

以上、ここまでの話はすべて、妊娠12週までのことです。12週以降の場合は、まったく事情が異なります。たとえ少量の出血だとしても、一刻も早く受診する必要があります。このことは、次回詳しくお話しましょう。

(2011年12月から掲載)