12週以降の流早産こそ、医療の出番

12週を過ぎると、妊娠が継続する確率があがり、胎児に生命力がついてきます。これ以降の流産や早産は、母体側に原因があるケースが多くなります。つまり、治療できる可能性が出てきたということです。

12週以降の流早産の原因は、母体側では子宮奇形や子宮筋腫、妊娠高血圧症候群、甲状腺機能不全、糖尿病、胎児側では羊水異常、前置胎盤、胎児奇形など、様々な疾患が上げられます。

なかでも、もっとも注目を集めているのが「感染症」です。

人間の身体には、大腸菌やGBS、バクテロイデスなど、「常在菌」といわれるたくさんの菌が住んでいます。健康なときには影響を及ぼしませんが、体力や免疫力が落ちたときに、悪さを始めることがあります。

お腹の張りのある人や、何らかの原因で子宮頸管が弱まっている人は、特に注意が必要です。 菌やウィルスが腟に感染して、そこから子宮頸管へ広がり、さらに胎児をつつむ絨毛膜や羊膜にまで感染が進むことがあります(絨毛膜羊膜炎・CAM)。すると規則的な子宮収縮が起こり、早産を引き起こすことがわかっています。

ですから、12週以降は体の負担になることはなるべく避けて、細菌による感染症を防がなくてはなりません。たとえば、昔から言われるように「無理をしない」「重いものを持たない」「冷やさない」などの生活上の注意点は大事です。また、精神的なストレスやプレッシャーもよくありません。

12週以降、妊娠が確定したら、残業や長時間勤務、夜間の当直など、心身に負担のかかる勤務も控えるようにしましょう。

(2011年12月から掲載)