自閉症は3歳までに違いに気づく事が多い。自閉症を軽くする方法は?

5歳頃にならないとわからない「ADHD」に対して、「自閉症」は、1~2歳の幼い頃から他の子どもとはちょっとちがう様子が見られるので、就学前に診断がつくことが多いのです。

自閉症には3つの特徴があります。

1.言葉の遅れ

2歳半頃になっても言葉が出てこないような場合は、少し注意が必要です。

言葉を話せても、おうむ返しがほとんどであったり、会話のキャッチボールがうまくできず、自分の興味のあることをワーッと一方的にしゃべってしまったり、他人が傷つくようなことを平気で言ってしまうような場合もあります。

他に、言葉を文字通りに受け取ってしまう、冗談がうまく通じない、言葉のキャッチボールができないなど、2歳くらいでもなんとなく違和感を感じることがあると思います。

2.コミュニケーションの質の問題

他人の気持ちがわからない、表情で相手の気持ちをくみ取ることができない、そういった能力の障害があります。

また、自分で感情を表出するのが苦手で、表情が非常に乏しいことがあります。他人に興味がない、視線が合わないなども自閉症のサインのひとつ。

たとえば、小さい子は同じくらいの子を見ると、まだうまく遊ぶことはできなくても、なんとなく横目で気にしていたり、近寄って行ったり、誘ってもらうとうれしい表情をします。

でも、自閉症の子どもは、マイペースで自分の世界で生活しています。一人遊びが好きで、ママが遊びに入ると「じゃましないで」と怒ったり、ごっこ遊びでも、ただ物を並べて遊んでいるなど、ほかの子とはちょっと違う遊び方が多いでしょう。

3.特定のものごとに強い興味とこだわりを示す

たとえば、まわりの子が集めないようなもの、電池、使っていない携帯、石、木の枝やトイレットペーパーの芯などを集めたりします。

回転する物が好きだったり、電車の時刻表や数字に非常に興味があって、そればかりに熱中したり、電車の型番を全部覚えたりと、ふつうとはちょっとずれたような興味の持ち方をします。

これら3つの特徴をすべて満たす場合、「自閉症」と診断されます。

<言葉の遅れ>はみられないけれど、<コミュニケーションの質>や、<特定のものごとに興味を示す>という二つの特徴を満たす場合は、「アスペルガー障害」という診断がつきます。

このような自閉症のグループの子は、他の人と物事の感じ方・受け止め方が違うので、本人の特性に合わせて育ててあげることが必要になってきます。

本人にとっても、家族や先生など、まわりの人にとっても、育て方がわかっていたほうがラクですから、早めにこれらの特性に対処する事が大切だと思います。

自閉症を軽くする方法とは

自閉症やアスペルガー症候群などの場合、障害そのものを治す薬の治療はありませんが、「他動」や「激しい興奮」や「問題行動」「精神不安定」など困っている個々の症状に対しては、ある程度効果のある薬を使う事もあります。

薬を使う場合は、薬を使う目的、ターゲットとなる症状をはっきり確認する事が大切です。

薬以外では、本人の特性に合わせて、周囲が育て方などの環境を調整して本人の行動を変えていく 「行動のマネージメント」 という治療を行います。

たとえば、自閉症の子は 「変化が苦手、先を予測するのが苦手」 という特徴があって、予想外のことが起きるとパニックを起こしてしまうことがあります。

だから、予測不能なことが起こらないように、絵入りの予定表をつくったり、1日のこの時間はご飯、この時間は着替え…と時間を決めてそれを目に見えるような日課表にしてあげてマネジメントをしていきます。

こうした工夫で、本人の不安感が少なくなるので、問題行動の頻度を減らす事ができます。

また、『がんばり表』を作って「○○ができたらシール1枚」と、本人の努力に対してシールという目に見えるもので表していきます。

もしできなくても、シールが減らないのがポイント。

そして、シールが何枚かたまったらご褒美をあげます。

ご褒美といっても物である必要はなくて、おおげさに褒めてあげるとか、寝る前に本を1冊余分に読んであげるとか、何でもいいのです。

「頑張ったら、いつか必ずご褒美がもらえる」 と本人のやる気を引き伸ばすことが大事です。

パニックになってしまったときは、刺激の少ない静かな場所で、頭を冷やす時間を持つことで、パニックが収まりやすくなります。

これらの方法を使って行動を変えていくことで、落ち着いてきて問題がなくなっていく子もたくさんいます。