アレルギーの基礎知識:アレルギーを引きおこすもの(アレルゲン)
体に侵入し、アレルギーを引きおこす物質をアレルゲンといいます。アレルゲンを吸いこんだり、食べたり、触れたりすることで、アレルギー反応が起こります。
いったい体のどこから、どんなアレルゲンが侵入するのでしょう?主な侵入経路は「吸い込む」「食べる」「触れる」の3つ。アレルゲンとなる要注意物質を、それぞれの経路ごとにチェックしてみましょう。
吸い込む系
ハウスダストは家の中に浮遊する目に見えない小さなホコリ。その中にはダニやその死骸、ダニのフン、カビ、カビの胞子、花粉、ペットの毛やフケなど、たくさんのアレルゲンが入り交じっています。
ダニは、じゅうたん、カーテン、布製のソファー、寝具、ぬいぐるみなどをすみかにしています。気温が20~30℃、湿度が60~80%くらいの高温多湿の環境を好むので、日本の6月~9月はダニがもっとも繁殖しやすい季節。
カビは、浴室、洗面所、台所などの水まわりや、押入れや下駄箱などの湿気がこもりやすい場所、日当りや風通しの悪い場所に発生。ダニと同様、高温多湿を好み、気温25~30℃、湿度75%以上の環境で活発に繁殖。わずかな空気移動で胞子を飛ばし、落ちた先に湿気があればさらに広がっていきます。
アレルゲンとなる花粉はスギ、ヒノキ、ブタクサ、マツ、イネ科など、植物のおしべの中にできる粉状の細胞。気温が高く風が強い日に空気中に多く飛散します。植物の種類によって花粉が飛ぶ時期が違うので、アレルギー反応に季節性がある場合は、いずれかの花粉がアレルゲンとなっている可能性も。
他に、ペットの毛や衣服の繊維、たばこの煙の中に含まれる刺激物質、車や工場などの排気ガス、建築資材や家具などに使用されている接着剤や塗料などの化学物質もアレルゲンになることがあります。
食べる系
赤ちゃんがいちばんアレルギーを起こしやすい食品は“卵と牛乳”。この他にも、大豆、そば、小麦、米、やまいも、さば、ごま、ピーナッツなどもアレルギーをおこす可能性があります。
消化の悪いエビ・カニ・イカなども注意が必要。また、ハムやソーセージ、インスタント食品など、加工食品に使われている保存料や着色料などの食品添加物がアレルギーの原因になることもあります。
ママの食事について
ママが食べたものは胎児に、また、母乳を通して赤ちゃんに、それぞれ影響を及ぼします。プレママや授乳中のママは、毎日同じ食品ばかりたくさん食べ続けるのはよくありません。
はっきりとは断言できませんが、同一の食品を過剰にとりすぎると、赤ちゃんがアレルギーになるのでは?という疑いもあります。そんなリスクを減らすためにも、ママはバランスのよい食事を心がけて。
どうしてもアレルギーが心配なママは、食事内容について医師に相談してみましょう。
触れる系
毛、絹、科学繊維の衣類などが肌に触れた刺激でアレルギーを起こすこともあります。洗剤や化粧品の成分も接触性のアレルゲンに。また、自然の中で遊んでいたら、ウルシ、イラクサ、ハゼ、ゴムの木など植物の葉や茎、樹液に触れて真っ赤に腫れたりすることも。