離乳食の進め方
離乳食ってこんなもの
離乳食は、ココロとカラダを育ててくれる“食”生活のスタートライン。
おっぱいやミルクを“飲む”生活から、大人と同じように“食べる”生活へステップを踏みながら、導いてくれる食事です。
成長とともにおっぱいやミルクだけでは足りなくなる栄養も補ってくれます。
赤ちゃんにとって“食べる”ことは未知の世界。
ココロとカラダの成長に合わせて、レベルアップをはかりながら食べるためのスキルを獲得していきます。
食べる意欲を育み、食べる楽しさも教えてあげましょう。
離乳食はマイペースでOK
離乳食のスタート時期の目安は、5~6ヵ月頃。
この頃になると、胃や腸などの消化・吸収能力が発達してきて、口の中に乳首以外のものが入ってきたときに舌で押し返す「押し出し反射」という原始反射も少しずつ消えてくるのです。
「ミルク150~200ccを簡単に飲める」、「大人が食事をしているときじっと見ていたり、口をモグモグさせている」、「スプーンなどを口に入れても押し返さない」などの条件が整ったら、離乳食開始の合図です。
ココロとカラダの準備が整わないと、離乳食を始めてもうまくいきません。時期を見極め、ゆっくり始めたほうがスムーズに進むともいわれています。
離乳食の進め方のスピード、各ステップの月齢は、あくまでも目安。おすわりやハイハイする時期が一人ひとり違うように、「かむ力」など食べる機能の発達にも個人差があります。よく食べる子もいれば、あまり食べない子もいます。だから、アセリは禁物。わが子の様子を見守りながら、ムリせず、のんびりとマイペースで進めていきましょう。
離乳食の進め方
生後5~6ヵ月ごろ
離乳食は、唇を閉じて食べ物をゴックンと飲み込む練習から始まります。
赤ちゃんがおっぱいやミルク以外の液体ではない食べ物と出会い、スプーンの感触に慣れることが目的です。
プレーンヨーグルトほどのかたさを目安に、粒のないペースト状にした米がゆや野菜を1日1食材1さじ(5cc)から始め、一日ごとにスプーン一杯ずつあげる量を増やしていきましょう。
機嫌のいいときに食べさせて、終わったらミルクやおっぱいを飲ませます。
新しい食材は必ず1さじからスタート。味付けは不要です。旬の食材を使って、食べ物本来のおいしさを教えてあげましょう。
慣れないうちは舌で押し出したり、嫌がったりすることもありますが、そんな時は無理しないで。練習するうちに上手にゴックンできるようになります。
生後7~8ヵ月ごろ
ペースト状のものを上手に飲み込めるようになったら次のステップへ。
少しツブツブが混ざったドロドロ・ベタベタ状の食べ物を、舌と上あごでつぶして食べる練習をします。かたさの目安は絹ごし豆腐。
徐々につぶし方を粗くしたり、5mm角ほどの大きさに刻んだ食材を混ぜるなどして、形のある食べ物の感触を味あわせてあげましょう。
離乳食は1日2回になります。食事タイムを決めて、生活のリズムを作ってあげましょう。
最初は単品で食べさせていましたが、この時期になったら、おかゆに野菜をゆでて入れるなど、食材を組み合わせてもOK。
しょうゆ、みそなどの調味料も使えるようになりますが、素材の味を生かす、風味程度の味付けにしましょう。
離乳食のあとは、欲しがるだけおっぱいやミルクを飲ませてあげます。
生後9~11ヵ月ごろ
舌と上あごで食べ物をつぶして食べられるようになったら、1日3回の離乳食に進みます。
この時期になると、生えそろい始めた前歯でかじったり、舌で左右の歯ぐきに食べ物を運び、歯ぐきでかんで食べられるようになります。
かたさの目安は歯ぐきでつぶせるバナナ。大きさの目安は約1cm角。やわらかすぎて舌だけでつぶしていないか、かたすぎて丸のみしていないか、赤ちゃんの様子を観察しながら、歯ぐきでつぶしてからゴックンできるように、大きさやかたさを工夫してあげましょう。
おっぱいやミルクより、離乳食から摂る栄養の割合が多くなります。
お正月、ひな祭り、お彼岸など、行事食も取り入れて、季節感のある食卓を演出してあげましょう。
離乳食のあと、欲しがるようだったらおっぱいやミルクを飲ませます。
生後1歳~1歳半ごろ
歯ぐきで形のあるものをかみつぶして食べられるようになり、栄養の大部分を食べ物から摂れるようになります。
奥歯が生えそろうまでは、ハンバーグのかたさを目安に、大人よりやわらかめの食べ物を。
赤ちゃんは手でつかんで口に運んだり、前歯でかじりとったりしながら、自分が食べる一口量も学んでいきます。
手づかみやスプーンやフォークを使って、自分で食べられるメニューを用意してあげましょう。
この時期は、朝・昼・夕の3食におやつを加えて4~5回食。
おやつは足りない栄養を補うための「軽食」と考えて、おにぎりや、焼きうどん、スイートポテト、野菜ケーキなどをあげましょう。
生後1歳半~
赤ちゃんの口の中をのぞいて、奥歯が上下4本生えそろい始める頃、幼児食へ。
奥歯が生えてきても、子どものかむ力(そしゃく能力)は大人と同じではありません。食べ方に個人差もあります。
子どもの食べる様子を見守りながら、かむ力の発達に合わせて、食材を選び、調理の仕方を工夫し、少しずつ大人の食事に近づけていきましょう。でも、まだまだ薄味が基本です。
また、おやつは軽食と考え、市販のお菓子ではなく、おにぎりや、焼きうどん、フルーツポンチなど、栄養を補えるものをあげて。
なかなか上手には食べられませんが、汚れてもいいように床にシートを引いたり、エプロンを用意して、自分から食べる意欲を育んでいけるようにしましょう。