チョコレート嚢胞
読み方
ちょこれーとのうほう
症状の説明
子宮内膜症が卵巣に発症したときに見られる、特徴的な病変。
本来は子宮の内側にあるはずの子宮内膜が、卵巣内に発生し、毎月、月経のたびに出血する。
その血液がたまって袋状になったものが「チョコレート嚢腫」。古い血液が、溶けたチョコレートの色に似ていることから名付けられた。「チョコレート嚢腫」「子宮内膜症性卵巣嚢胞」とも呼ばれる。
チョコレート嚢腫がある場合は、周囲の組織と癒着を起こしやすく、それに伴い、生理痛がひどくなる。
卵胞の発育・成熟などを妨げて、排卵がうまくいかなくなったり、卵管の通過障害を起こして、不妊の原因になることもある。
卵巣のねじれや破裂を起こす危険性もあるため、経過を観察しながら、手術による摘出を検討することが多い。
(2009年10月から掲載)