妊娠のメカニズム
1個の卵子と1~2億分の1の精子が運命的な出会いを果たすのは、妊娠1ヵ月の半ばです。月経開始から約2週間後、成熟した卵子が卵巣を飛び出します。排卵です。
「おなかがちくっと痛い」「ごくわずかに出血する」など、自分の排卵がわかる人もいるようです。飛び出した卵子が卵管に入り、精子と出会います。そこで合体すると受精。
受精した卵は細胞分裂を繰り返しながら、4~5日かけて卵管の中を子宮内膜に向かって進みます。子宮内膜は受精卵のベッド。女性ホルモンのおかげで厚くふくらんで、ふかふかです。
卵管の中を旅してきた受精卵が子宮内膜にたどりつくと、約1週間かけてもぐりこんでいき、根をおろしはじめます。これが着床です。
着床すると、胎盤の元となる「絨毛(じゅうもう)」という組織が受精卵から生えてきて、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を分泌します。つわりの一因と考えられているホルモンです。
このホルモンの刺激を受けた卵巣は、妊娠を維持するために必要な「エストロゲン」と「プロゲステロン」という二つのホルモンを分泌しはじめます。受精卵と卵巣がお互いに助け合って妊娠を維持するなんて、不思議ですね!
ちなみに卵子と精子が出会わなかったり、出会っても着床できなかった場合は、せっかく用意したふかふかベッドも必要なくなり、子宮内膜が剥がれ落ちます。それが次の月経です。