ママニティ大百科

子どもの救命講習ルポ!
心肺蘇生Q&A


Q.脈拍はとらなくていいの?

Q.心臓が動いている人に胸骨圧迫をして悪影響は?

Q.人工呼吸はしなくてはダメ?

Q.感染症をうつされないようにする方法は?

Q.ヤケドやおぼれた時、心肺蘇生の前に手当は?


Q.脈拍はとらなくていいの?

A.以前の救命講習では導入していましたが、一刻を争う状況の中で脈拍をとるのは難しく時間がかかります。そのために処置が遅れて状態が悪化していくのを防ぐため、脈をとるステップはなくなりました。呼吸だけを確認して、息がなければ心臓も止まっていると考えて、心肺蘇生をします。

呼吸がなくて、心臓が動いている、というケースはほとんどありません。胸骨圧迫(心臓マッサージ)はかなり強い力で圧迫するので、本人の意識があれば、こちらの手を払いのけるなど何らかの反応を示すので目安になります。

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Q.心臓が動いている人に胸骨圧迫をしてしまった場合、悪影響はない?

A.ないとは言い切れません。でも、ためらって胸骨圧迫をせずに手当てが遅れるほうがよくないのです。倒れている人がいて、呼吸をしていなければ、すぐに心肺蘇生を開始してください。

ただ、心肺蘇生は、心臓に本来とは違うリズムを与えるわけですから、元気な人同士で練習したりするのは絶対に避けてください。
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Q.人工呼吸はしなくてはダメなの?

A.口対口の直接の人工呼吸には、いくつかの問題点があります。たとえば、感染の危険などもそのひとつです。また、人工呼吸を頑張ろうとして、胸骨圧迫(心臓マッサージ)がおろそかになってしまう可能性もあります。

人工呼吸と胸骨圧迫のどちらが大事かというと、胸骨圧迫です。脳に血液を送って、細胞を死滅させないことが大切です。

胸骨圧迫だけでも救命の効果が高いため、人工呼吸を実施するのに抵抗があったり、マウスピースの準備に時間がかかる場合は、無理に実施しなくてもいいという考え方になっています。
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Q.倒れている人から、感染症をうつされないように予防する方法は?

A. 予防としては、血液を直接触らないことです。大量出血している場合など、直接血液に触れるのはよくないので、買い物袋やビニール手袋などを介して、圧迫してあげるといいでしょう。
また、口の周りや口内に血がついているのに、人工呼吸用マウスピースがない場合は、人工呼吸はせず、胸骨圧迫(心臓マッサージ)だけをしましょう。

救命活動中に、何か病気に感染した場合、保障するシステムは残念ながら出来上がっていません、自分の身は自分で守ることが大事です。

救急隊員も、飛沫感染や血液感染を防ぐため常にマスクをし、ゴムの手袋をして救助に当たっています。
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Q.ヤケドやおぼれたりして心臓や呼吸が止まってしまったとき、水で冷やす、水を吐かせるなど、心肺蘇生の前に何か手当てをしたほうがいいのでしょうか?

意識がなく、呼吸がない場合は、何よりも心肺蘇生を優先してください。たとえば、おぼれていたときは、まず水から引き揚げて、寝かせて、呼吸の有無を確認します。呼吸がなければ、すぐに心肺蘇生を開始します。

意識があった場合は、救急車が来るまでの間に、嘔吐したときに窒息しないように体を横に向けて寝かせます。話ができて、「寒い、寒い」と言っているときは、自分で飲める状態なら温かいものを飲ませてあげてもいいけれど、朦朧(もうろう)としていたり、激しく咳き込んでいるときなどは飲ませないこと。飲んだものが肺に入ってしまう可能性があります。

火事の場合、熱い空気を吸ってのどに熱傷を負ってしまう「気道熱傷(きどうねっしょう)」のために窒息したり、一炭化酸素中毒によって血中の酸素濃度が減少し、脳に酸素が送られなくなり心肺停止に至ることがあります。

そのときもまずは心肺蘇生です。周りに助けてくれる人がいるときは、部分的なやけどは冷水で冷やしたり、全身大やけどの場合は、体温が奪われるので毛布等で体を覆って保温します。


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