Q 完母なのにタバコやめられず

母乳育児中に、タバコを吸わないほうがいい理由……それは、タバコのニコチンが母乳に移行して、ママのニコチン血中濃度より1.5〜3倍も高くなるからです。1日20本以上吸うと、赤ちゃんがニコチン中毒になり、ニコチンが切れると激しく泣いたり、眠らなくなるといった症状が出ることも…。

さらに、受動喫煙(煙を吸う)による赤ちゃんへの影響は、もっと大きいと考えられているんです。受動喫煙が、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症を高めることは確実で、他にも、中耳炎や喘息、呼吸器感染症の率も上がります。

禁煙するのが大前提なので、ぜひ禁煙外来を受診して、相談してください。禁煙補助薬は処方できないと思いますが、他の方法をアドバイスしてくれるはずです。

それでも、どうしてもタバコを辞められない場合……母乳は続けたほうがいいという見解が多いようです。喫煙しながら母乳を与えた場合と、喫煙しながらミルクを与えた場合を調査した結果、母乳を飲んでいた子どものほうが呼吸感染症や乳幼児突然死症候群が少ないためです。

喫煙後1時間〜2時間は血中のニコチン濃度が高くなっているので、授乳は避けたほうがいいと言われています。また、小児科学会は「受動喫煙を避けるため、子どものいる家庭では、たばこは室内で吸わず、屋外で吸うようにしましょう」と提言しています。(2012/8/15)