2017/06/26

大学進学が当たり前の今、教育費は最低でも1000万円必要!

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高校卒業後、大学や短期大学、専門学校などに進学する人は、今や8割にのぼります。大学進学が当たり前になった時代のなか、大学を出してやりたいと思いつつも、教育費のことが心配という方が少なくありません。

そこで今回は、子どもが大学卒業までに必要になる教育費についてお伝えします!

公立と私立では最大で1600万円以上の差に!

文部科学省が、大学卒業までにかかる費用を調査した『平成21年度文部科学白書』の「家計負担の現状と教育投資の水準」で見てみましょう。この調査は、やや古い調査ですが、幼稚園から大学卒業までに各家庭が負担する平均的な教育費がわかる貴重なデータです。

■大学卒業までにかかる費用
幼稚園〜高等学校の教育費は文部科学省「平成20年度子どもの学習費調査結果」に基づいて作成(単位:円)
大学の教育費については独立行政法人日本学生支援機構「平成20年度学生生活調査報告」に基づいて作成
※1「学習費等」には授業料などの学校教育費や学校給食費,学校外活動費が含まれる
※2家庭から学生への給付額を使用
出典:文部科学省『平成21年度文部科学白書』


一番、お金がかからないのは、「幼稚園から大学まですべて公立」の大学には自宅から通う場合で、約810万円です。一番お金がかかるのは「幼稚園から大学まですべて私立」で、大学は下宿やアパートから通う場合の約2450万円でした。

小学校、中学校、高校は地元の公立高校、大学はひとり暮らしで私立大というケース3は、もっとも一般的なケースですが、それでも約1430万円必要になります。

私立の学校はお金がかかることが、このデータからはっきりとわかったのではないでしょうか?

親としては公立で学んでもらうのが金銭的には一番楽ですが、評価の高い大学への進学を考えた場合、私立で学ばせたいというのも正直なところでしょう。

中高一貫教育の私立、私立大学の付属高校に進学すれば、受験の苦労をせずに進学することができますが、そのためには公立の2倍から3倍近い教育費が必要になります。また、近年、私立大学の入学金や学費はやや増加傾向にありますので、この金額よりももう少し負担が重くなっています。

このように、進学時にどの道を選ぶかで、教育に必要な費用は大きく変わります。いざ進学が決まったときに出費の大きさに驚き、慌てることにならないよう、各進学段階での公立か私立かの選択、目標とする大学まで、タイミングを見て子どもと相談しながら考えることをおすすめします。

負担の大きい私立大学への進学

教育費のなかで、一番大きなお金が必要になるのは、学費と入学費などで100万円以上のお金が必要になる大学進学時です。

国立大の場合、全学部共通で入学料の標準額は約28万円、学費を合わせた初年度の納付金は約82万円になります。

公立大の場合、地域内の公立大であれば入学金は約23万円、学費を合わせた初年度の納付金は約77万円になります。地域外の場合は、入学金が約40万円、学費を合わせた初年度の納付金は約94万です。こちらも国立大と同じで、基本的に全学部共通です。

私立の場合、大学や学部で入学料・授業料・施設設備費が異なります。各大学を個別に紹介することはできませんので、文部科学省が日本私立学校振興・共済事業団の協力を得てまとめた、『平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について』で見てみましょう。

■平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)
出典:文部科学省『平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について』

国立大学と比較すると、文化系学部は約1.5倍、理科系学部は約2倍近いお金が必要になります。医歯系学部になると約6倍ですので、一般家庭では支払うのが難しいかもしれません。

そのほか、大学進学にともなってひとり暮らしを始める場合は、賃貸契約や引っ越しの費用もかかります。こちらも数十万円単位の大きなお金が必要になることを覚えておいてください。

大卒が当たり前になっている時代、子どもの将来を考えて大学まで通わせたいというのが親心。そのときになってから教育費に頭を痛めることがないよう、早い段階から教育資金は貯めておきましょう。

養育資金の貯め方については、機会を改めて紹介します。

Q,教育資金貯まってますか?


『平成21年度文部科学白書』
『平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について』
ママニティ編集部

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