ママニティ大百科

虐待のはなし
虐待のスタートはしつけ

子どもの虐待はなぜ起きるのか。虐待を回避するにはどうしたらいいのか。その答えは、「虐待とは何か」を知ることでおのずとわかってきます。

虐待とは、"しつけ"です。

こう聞くと、みなさんは驚き、反発するお母さんもいるでしょう。しかし、子どもを一生懸命、しつけようとすればするほど、残念ながら虐待と同じ現象が起きてしまうのです。実は、愛情を込めて"しつけ"をすることも、虐待に走ってしまうのも同じ心理背景によるものなのです。

親になると、誰でも子どもに"しつけ"をしようとします。でも幼い子どもは、すぐには言うことを聞かない、思いどおりにはならない。ママは「これだけ苦労しているのに、あなたのことを考えているのに、どうして言うことを聞かないの?」と思うでしょう。

そして「このままではこの子は将来ダメになってしまう」という気持ちが強くなっていっていきます。「この子をいい子にしなくては」と一生懸命になればなるほど、反対にその方法がみつからなくなってくるんです。

虐待の初期には、「子どものため」「こうしなくちゃいけない」という強い思いがあり、愛情を込めて育てているのが実際です。しかし、方法が見つからず思い通りにいかないと、子どもに対する言葉が、次第に強くきつくなっていきます。不機嫌な顔をみせたりもする。

それが、怒鳴る、手が出る、外に閉め出す…といった具合にエスカレートしていってしまいます。このようにしつけと虐待の行為は連続線上にあるものなのです。どちらも、本質的には一緒だと考えるべきなのです。

児童虐待防止法の第一条には、虐待の定義は『子どもの人権を侵害する』と書かれています。親の思いどおりに子どもをコントロールする行為は、子どもの人権を侵害しています。つまり、虐待の本質的な定義は、「親による子どものコントロール」。子どもを親の思い通りさせようとする"しつけ"そのものが虐待なのです。
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