ママニティ大百科

放射能と健康のはなし
私たちの体は驚異的!

太古の昔から、地球には宇宙から放射線が降り注いでいます。岩盤からも放射線が出ています。空気にも食べ物にも放射性物質が含まれています。このような環境の中で、生命は誕生し、進化してきました。

そこには当然、被曝の影響から身を守るシステムがあるのです。このシステムを獲得したものだけが、今、生き残っているとも言えます。

放射線を浴びると、体内で何が起きるのか。放射線が直接、DNAを傷つけることもありますが、確率としては低いものです。それよりも、「活性酸素(かっせいさんそ)」の影響のほうが大きい。放射線が細胞内の水に当たると「活性酸素」が発生し、これが周囲のDNAを傷つけます。

活性酸素は老化の原因物質としても知られている、非常に身近な存在です。ふつうに生活をしているだけで、1日に1細胞あたり10億個もの活性酸素が発生しています。運動や飲みすぎ、食べすぎ、紫外線、喫煙、医薬品、ストレスなどで、さらに増加します。

このままだと大変なことになりますが、人体には活性酸素を無毒化する「抗酸化酵素」が備わっています。たんぱく質とミネラルから作られる「カタラーゼ」や「スーパーオキシドディスムターゼ」、「ペルオキシダーゼ」といった酵素やビタミンC、ビタミンEなどが、日々、活性酸素に対抗しています。

それでもDNAは、ふつうに生活しているだけで1日に1細胞あたり数万〜数十万個所、損傷しています(ちなみに、100ミリシーベルトの被曝で損傷するDNAは200個数程度です)。しかし、ここでも「トポイソメラーゼ」や「RecQヘリケース」という酵素が働いて、ものの数秒から数十分で修復してしまいます。

こうした対抗策が間に合わなかった場合に、突然変異遺伝子をもった異常細胞が発生します。また、細胞分裂をするだけでもエラー(遺伝子の異常)が起きてしまいます。その結果、私たちの体内では、毎日何千個もガン細胞が発生しているのです。

しかし、ここでもまた安全装置が働きます。細胞自身のチェック機能によって、遺伝子異常のある細胞が自殺をはかるのです(アポトーシス)。さらに、血液に乗って体中を偵察している「ナチュラルキラー細胞(NK)」という免疫によっても、ガン細胞はやっつけられ、ガンにはならないのです。

このように、何重にも張り巡らされた驚異的な安全システムによって、私たちの体は守られています。若ければ若いほど、このシステムが活性化しています。だから、子どもや若者にガンは少ないのです。
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