ママニティ大百科
幼児教育のはなし
はじめに
皆さん、はじめまして!清水章弘(しみずあきひろ)と申します。
現役東大院生です。教育学の研究をしながら、東京の飯田橋で、プラスティーという中高生向けの学習塾を経営しています。そこで授業をしながら、本を書いたり、日本全国の学校で講演をさせて頂いたりしています。
今回、このママニティさんで連載をさせて頂くことになり、とても嬉しく思っています。
「子どもを育てたこともない24歳の私が、連載してイイのかな?!」と悩みましたが、勇気を出して、筆をとることにしました。
というのも、どうしても皆さんと一緒に考えたいことがあったからです。
それは、「英才教育って、そんなに必要なの?」ということです。
もちろん、ゼロで子育てをするのは不可能でしょう。お金をかけるのがいけないという話もちょっとおかしいでしょう。
でも、塾を経営するようになり、ちょっとずつ塾業界、とりわけ幼児教育で不思議に思うことがあり「マスコミもこんなに早期英才教育を煽って、不安になる人もいるんじゃないかな?」と思ったのも事実です。
かつて、そういう講演を、都内でさせて頂いたことがあります。
「僕はこういう教育を受けてきました。早期英才教育って要るんでしょうか」という内容です。
すると、講演後に一人のお若いママがこういう感想を下さいました。
「泣きそうになりました」と。
どういうことかな、と思い詳しく伺ってみたところ、「テレビで英才教育のメソッドが紹介されたり、周りの幼児が英才教育の塾に通っているのを見て、ずっと不安だった」とのこと。
僕は、とても残念な気持ちになり、英才教育について調べてみました。
すると、「○歳からの東大受験」のようなキャッチコピーを掲げ、ビックリするような月謝をとるスクールもありました。超能力を鍛えるなどという、「なんだそりゃ?」というオモチャもありました。右脳ブームは去ったようですが、調べてみると根強く売れている商品も多くありました。
それらの内容を見てみると、「え?!」と不思議に思うことばかり。
「これで頭良くなることはないだろうな」「その間、友達と遊んだ方がよっぽどいいよ…」と感じたこともあります。少なくとも、東大の周りの友人たちに聞いても、「そんなこと、やったことないよ〜!」というものばかり。
私が母にしてもらった教育は、テレビで騒がれている英才教育でもなく、海外のメソッドでもなく、右脳でもなく、もちろん超能力でもなく、昔から語り継がれているような、ごくごく当たり前のものでした。誰でもできるような、カンタンなものでした。
たとえば、「抱っこ」であったり、「褒めること」であったり、「絵本の読み聞かせ」であったりします。もちろん、そこでは一風変わった、「清水家ならでは」のものもありましたので、それもご紹介できればと思っています。
まだ若手研究者である私が、何かを批判しようとしているわけではありません。もちろん、業界の暴露話をしようとしているわけでもありません。
自分が母にしてもらったことを思い出しながら、教育学を勉強して学んだこと、4年間塾経営をして学んだことをベースに、「幼児教育で本当に大切なことってなんだろう?」ということを、皆さんと一緒に考えていけたら嬉しく思います。
それでは、どうぞよろしくお願い致します!
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