ママニティ大百科

子どもの救命講習ルポ!
これが心肺蘇生
まずは安全確認&応援要請

「心臓が止まっている!」「息していないみたい…」そうしたときに行うのが、心肺蘇生(しんぱいそせい)。救急車が来るまで行えば、生命が助かる率がぐんとアップするというのですから、しっかり覚えなくちゃ。

<人工呼吸>と<胸骨圧迫(きょうこつあっぱく)>ふたつ合わせて、心肺蘇生といいます。ちなみに、「胸骨圧迫」はいわゆる“心臓マッサージ”のこと。医師が行う心臓マッサージ(胸を切開して心臓を直接マッサージする)と混同するので、現在は「胸骨圧迫」と呼ぶように統一されているそうです。

「心肺蘇生の基本的な流れは大人も子どもも一緒ですが、赤ちゃんや子どもは体が小さいので、ちょっとちがうのです」

さっそく、訓練用の人形を使って、野村さんがお手本を見せてくれました。車やバイクにぶつかった、溺れた…などで、子どもが倒れている!という想定です。

1.安全を確認して、そばへ
工事現場などで、上から物が落ちてくる場合もあります。道路では車が気づかずに走ってくることも。「助ける人が助けられる人にならないように、まずは安全の確認を」と野村さん。周囲を見回しながら、子どものそばへ。

2.「大丈夫?」と声かけ
肩を軽くたたきながら、耳元で名前を呼び、「大丈夫?」「目をあけて!」などと声をかけて、意識があるかどうかを確認します。1歳未満の赤ちゃんの場合は、足の裏をトントンと刺激しながら、呼びかけることも。「赤ちゃんは体がまだ未熟で組織がやわらかいため、けがを負わせないように気をつけます。足の裏は硬くて、けがをしにくいのです」

3.119番とAEDを頼む
さあ、子どもの反応がありません! 「誰かきてください!」と大声で助けを求めます。そして、周りの人に、119番通報と、駅や学校などに設置されているAEDを持ってくるように頼みます。このとき重要なポイントが「あなた、119番通報をお願いします」、「あなた、AEDを持ってきてください」と具体的に人を指定して、頼むことなんだそう。

「大勢の人がいると、“誰かがやってくれるだろう”と思って、誰も119番通報をしないことがあるんです。だから、目を見て、相手に対して手を差し出して、“あなた”と指名することが大事です。」

なるほど〜!!でも、周りに誰もいなかった場合は?

「倒れているのが大人なら、まず119番通報して、近くにAEDがある場合は取りに行きます。でも、8歳未満の乳幼児の場合は、なにより心肺蘇生を優先してください。まず5分間の心肺蘇生を試みたあと、119番通報して、AEDを取りに行きます」

子どもの場合、呼吸が止まってしまって、それが原因で心臓まで止まることが多いそう。何より先に心肺蘇生をしたほうが、助かる率が上がるということなんですね。

さあ、これで救命のための準備が整いました。次回は、いよいよ心肺蘇生。人工呼吸と胸骨圧迫の方法を教わります!


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