ママニティ大百科

子どもの救命講習ルポ!
これが心肺蘇生
胸を30回連続で押す!

続いて、<胸骨圧迫(心臓マッサージ)>。 乳頭と乳頭を結ぶライン( 1)の中央に手のひらの付け根を当てて、30回押す( 2)。

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腕力のある男性は片手で、力に自信のない女性は両手を重ねて押します。押す速さは1分間に約100回のテンポ。 …ということは、10秒間に16〜17回。意外に早いテンポです。

それに、体重をかけて随分強く押しているように見えます。そんなに押して大丈夫? けがをさせてしまうことはないんですか?

「8歳以下の子どもの場合、胸の厚さが1/3沈むくらいの強さが目安。胸骨圧迫は脳に血液を送って酸素を供給するための作業……脳が酸欠を起こすと、細胞がどんどん死んでいくので、それを防ぎます。今の医学では死んだ脳細胞を蘇らせることはできないので、けがの心配をするより、しっかりとした強さで胸骨圧迫するほうが重要なのです」

胸骨圧迫を30回したら、再び、人工呼吸を2回。その後も、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回…と繰り返します。

いつまで続ければいいんですか?
「救急車が来るまでです。なかなかハードでしょう? 心肺蘇生は体力がいるので、ほかにも人がいたら2分間を目安に交替しましょう」

スタッフも、人形を使って実際の心肺蘇生に挑戦しました。 いちばん戸惑ったのは、胸を押す強さ。この人形は本物の子どもと同じように作られているのですが、かなり強い力で押しました。

「腕は斜めでなく、体をのせて垂直にして、まっすぐ。もっと前傾になって上半身の体の重さを使って押します」「イチ、ニ、サン…と声に出して数えましょう」「位置がずれてこないように」と野村さんのアドバイス。

赤ちゃんのお人形でも実習しました。 赤ちゃん(1歳未満)の場合、なんと中指と薬指の2本を使って、胸骨圧迫をするのです。(



これも指が痛くなるほど、力強い圧迫でした。ただ見ているのと、実際に体験してみるのとではちがうんだなあ、と実感。

心肺蘇生の手順は、1歳未満と1〜8歳に分けてまとめました。ブックマークや画面メモをして、いざというときに備えて!


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