産後0~1ヵ月のママ
悪露は健康のバロメーター
出産後しばらく、「悪露(おろ)」とよばれる月経のような出血がみられます。悪露は、出産時に傷ついた部分からの出血や子宮の脱落膜などがまじったもの。子宮回復のバロメーターになるので、よくチェックしましょう。
悪露は、産後2~3日は赤い色で量も多めですが、徐々に量が減り、色も赤、褐色、茶、黄色と変化していきます。一度少なくなってきた悪露の量が増えたり、色が濃くなってきたときは、体が疲れて子宮の収縮が弱まっている可能性も。無理せず、体を休めましょう。
出産後おへそのあたりまであった子宮は少しずつ小さくなり、産後1ヵ月頃には、ほぼ妊娠前の大きさに戻ります。悪露も白っぽい色になり、出血はほとんどなくなります。
産後1ヵ月経っても出血が続く場合や、悪露のニオイがヘン、発熱、腹痛などの症状があるときは、子宮の回復が遅れていたり、胎盤などの組織が残っている可能性があります。出産した病院を受診しましょう。
「産後ブルー」の乗りきり方
産後は情緒が不安的になり、なにげないことで涙が出たり、怒りっぽくなったり……突然の自分の感情に戸惑うことも。でも多くは一過性のものです。まずは考え込みすぎないようにしましょう。
どうして「産後ブルー」になるのでしょう? 出産という大仕事を終えたママの体はクタクタ。その上、慣れない育児はドキドキの連続で、とっても疲れているんです。しかも産後はホルモンも急激に変化します。授乳で頻繁に起こされるので、睡眠不足も重なっています。
産後ブルーになるのは必然ともいえるのです。でも、それは、「ゆっくりしようよ」「一人で頑張り過ぎないで」という心と体からのメッセージ。思い切って、回りの人にSOSを発信して助けてもらいましょう。
土日や夜、パパやおばあちゃんに赤ちゃんのお世話を任せて、ゆっくり寝るだけでも元気になれます。
また、ファミリーサポートセンターなど育児や家事をサポートしてくれる自治体のサービスを利用してみるのもいいですね。“少子化時代に赤ちゃんを生んであげたんだぞ”というくらいの気持ちでわがままになってもいいのです。
産後ブルーは、赤ちゃんとの生活が落ち着いてくると数日~1週間ほどで自然と治るもの。でも、無理を続けると、本格的な「産後うつ」に移行して、治療が必要になる場合もあります。
気分がどうしようもなく落ち込む状態が数週間も続いたり、頭痛や吐き気がする、食欲もない、なんていうときは、出産した病院や保健所に遠慮せずに相談して、カウンセラーや心療内科を紹介してもらいましょう。
家事は手抜きで、お世話に専念
産後1~2ヵ月間の「産褥(さんじょく)期」は、子宮が妊娠前の大きさに戻り、ママの体が回復していく大事な期間。特に産後3~4週間までは、赤ちゃんのお世話に専念して、他のことは手抜きで大丈夫。布団はひいたままにして、疲れたらすぐに横になって休みましょう。
激しい運動もNGです。重たいものも無理して持たないこと。子宮が下がってしまうことがあります。
とはいえ、寝たきりの安静にする必要はありません! 体調をみながら、少しずつ家事にも手をつけてみて。回復が順調なら、産褥体操も少しずつ始めてみましょう。
産後の手足のむくみは、体を動かすことで次第に解消していきます。また、産後に起こりやすい、静脈内に血栓ができる「静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」を予防するためにも、適度に体を動かしたほうがよいのです。1ヵ月かけて、徐々に普段通りの生活に戻していきましょう。