粉ミルクの歴史

日本にまだ粉ミルクがない時代、母乳が足りないということは、赤ちゃんにとって死活問題でした。

代わりに乳を与えてくれる女性を探したり、母乳の代わりに重湯(おもゆ)やお粥、米のとぎ汁などを与えていました。もちろん、お米だけでは赤ちゃんに必要な栄養がまかなえず、乳児の死亡率は高かったと言われています。

明治時代に入っても、まだ粉ミルクは登場しません。当時は、糖類を加えた牛乳や、アメリカから輸入された練乳(コンデンスミルク)が母乳代わりに与えられていました。傷んだ牛乳によって亡くなる赤ちゃんも多かったそうです。

日本に育児用粉ミルクが登場したのは第一次世界大戦中の大正6年、今から約100年前のこと。小児科医が設立した和光堂薬局(現在の和光堂)が、キノミールという商品を発売したのがはじまりです。

以来、日本練乳株式会社(森永乳業)や極東練乳株式会社(明治乳業)なども粉ミルクを手がけるようになり、日本の粉ミルクは発展を遂げていきます。世界にさきがけて、母乳に含まれる成分ラクトフェリンやDHA(ドコサヘキサエン酸)を添加したのも、日本のミルクメーカーです。

今や日本の粉ミルクは他のアジア諸国からも購入されるほど、品質の高いものになっています。

粉ミルクは、開発途上国ではとても高価なものです。しかも、清潔な水を手に入れることが困難なので、ミルクを飲んで感染症にかかり、命を落とす赤ちゃんも多いのです。

粉ミルクや安全な水を、誰もが手に入れることができる日本。やむをえない事情で母乳が飲ませられなくても、安心して赤ちゃんを育てられる時代・国に生まれたことは、本当に幸せですね。

(2014年9月から掲載)

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