妊娠高血圧症候群に注意する
20週以降から産後12週までに高血圧の症状がみられると、妊娠高血圧症候群と診断されます。以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていました。
妊婦の5~10%がなると言われ、症状が悪化すると胎盤の機能が落ち、酸素や栄養不足で赤ちゃんの発育が遅れ、早産や未熟児などの原因になります。
進行してしまうと母体がけいれんや意識障害を起こしたり、胎盤が剥がれたりして(常位胎盤早期剥離)、母子ともに危険な状態になり、緊急帝王切開になることもあります。
でも、妊婦健診を欠かさずに受けて、日ごろの体重管理や食生活に気を付けることで、軽症で抑えたり、予防することも可能です。
妊娠高血圧症候群の症状
次のうち、どちらかが当てはまると診断されます。
- 妊娠12週~分娩後12週までに高血圧がみられる場合(最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上)
- 高血圧とともに、たんぱく尿がある場合
以前は、「浮腫(むくみ)」または「たんぱく尿」だけでも診断されましたが、現在は診断基準から外されています。ただし、むくみは発症前のサインになることも。朝から手足がむくんでいたり、顔が腫れぼったいときは、医師に相談しましょう。
妊娠高血圧症候群になりやすい人
次のような人は妊娠高血圧症候群になりやすいので注意しましょう。
- 高齢出産
- 双子や三つ子などの多胎妊娠
- 甘いものや油っこいもの、濃い味が好き
- 妊娠前から太っている
- 妊娠中に太り過ぎた
- 仕事がハード
- ストレスがたまりやすい
- 腎臓病や高血圧、心臓病などの持病をもっている
- 家族に高血圧や糖尿病の人がいる
- 前回の出産で妊娠高血圧症候群になった、など
妊娠高血圧症候群を予防するためには?
妊娠高血圧症候群は悪化すると、なかなかよくなりません。次のような生活を心がけて予防しましょう。
- 塩分、脂肪、糖分は控えめに
- インスタント食品や加工食品を控える
- 野菜、豆腐、海藻などを積極的に食卓にのせ、バランスのいい食生活にする
- 太り過ぎに注意
- 適度な運動、散歩をする
- 生活で無理しない
- ストレスをためない
- 定期健診にきちんと行く