子どもの歯の発達

年齢別の歯の成長段階と、乳歯の特徴…ママだから知っておきたい子どもの歯のこと

乳歯は永久歯より虫歯になりやすい!

乳歯と永久歯は、サイズがちょっと違うだけ?…ではありません。

歯の中心には、血液や栄養を送り込み、神経も通っている「歯髄(しずい)」があります。その周りを固い象牙質とエナメル質で守っています。

乳歯の象牙質やエナメル質は、永久歯の半分の薄さ。永久歯と比べてやや軟らかく、酸で溶けやすいのも特徴です。虫歯になりやすく、たった数ヵ月で歯髄から根のほうまで虫歯が進行してしまうこともあります。

また、歯髄の中の神経がまばらなので、大人と比べて痛みを感じにくく、「痛い!」と言う頃には、虫歯が相当進行していることが多いのです。

子どもの歯は、大人の歯と比べると弱く、虫歯になりやすい。だから、日ごろのケアをしっかりして、虫歯を防ぐ必要があるんです。

子どもの歯は少しずつ動くもの

あまり小さいうちから歯並びのことを心配することはありません。子どもの歯並びや噛み合わせは、乳歯が生えそろい、あごが発達していくうちに、完成していきます。

「歯の位置や向きは生えてきたときのまま」というイメージがありますが、奥歯が生え揃うまでは、かなり動くものなんです。子どもの頃の歯並びが悪くても、永久歯に生え替わりはじめる6~8歳頃まで様子を見ることが多いのです。

特に、「歯並びにすき間があいていて心配」と思うママは多いのですが、乳歯の頃は、歯と歯の間にゆとりがあるのが理想的な状態。永久歯は乳歯よりサイズが大きいので、将来生えてくるときのために、じゅうぶんなスペースが必要なのです。

今、気がかりなことがあっても、しだいに治っていくこともありますから、心配しすぎず見守っていきましょう。

ただし、上下の歯の噛み合わせがうまくいっていない場合は、早めに治療が必要になるケースもあります。下の前歯が出ていたり(反対咬合)、上の前歯が出すぎていたり(上顎前突)、前歯の上下の間に隙間がある(開咬)などの様子があったら、一度、小児歯科や歯科を受診してみてください。

年齢別・歯の発達

胎児期

乳歯も永久歯も、赤ちゃんがママのおなかの中にいる、早い時期から作られはじめます。

まず、妊娠7週から10週頃にかけて乳歯の芽(歯胚・しはい)が作られはじめます。そして、妊娠16週ごろになると乳歯の芽にカルシウムやリンが沈着して、しだいに硬く大きく育っていきます。

永久歯の芽は、歯の種類によって、できる時期にかなり差があります。第一大臼歯(最初に生える奥歯)は妊娠14週頃につくられはじめますが、一番遅い第三大臼歯(いわゆる親知らず)は、生後3~4歳過ぎてつくられはじめます。

新生児期~

赤ちゃんの口にはまだ歯が生えていなく、歯ぐきはツルツルの状態。でも、歯ぐきの下にある歯槽骨(しそうこつ)の中では、乳歯がぐんぐん成長中。

まず歯の頭の部分が先に作られて、そのあと、歯の根が伸びていきます。永久歯の芽は、歯槽骨の中でじっとスタンバイしていますが、一部はカルシウムやリンの沈着(石灰化)がはじまります。

生後7ヵ月頃~

歯が生えてくる時期や順番は、個人差があるのですが、一般的には、まず下の前歯から生え始めます。下の歯が生え始める平均時期は6~8ヵ月頃。

次に上の前歯が生えてきます。9~11ヵ月頃に生え始める子が多いでしょう。

前歯が見えてきても、まだ歯をつかって噛むことはできません。舌と上あごで食べ物をつぶしている状態です。

1歳頃~

上下4本ずつ、計8本の前歯が生え揃ってきます。前歯がしっかり噛み合うようになると、食べ物をかじりとることができるようになり、自分の一口量を学習しはじめます。

1歳2ヵ月頃~

奥歯(第1乳臼歯)が生えてきます。上の歯は1歳2ヵ月~1歳6ヵ月頃、下の歯は1歳3ヵ月~1歳7ヵ月頃が生える時期の平均です。

奥歯が生えてくると、食べ物を噛みくだいてすりつぶす「咀嚼(そしゃく)」が少しずつできるようになってきます。とはいえ、第一大臼歯は噛み合わせの面が小さく、顎などの筋肉も未熟なので、食べ物を噛む力は弱いもの。特に、葉もの野菜や、繊維の硬い肉などは噛みづらいので、柔らかく煮たり、細かく切って工夫して。少しずつ噛みごたえのある食べ物をメニューに入れていきましょう。

犬歯(いわゆる糸切り歯)も徐々に生えてきます。奥歯(第一乳臼歯)より遅れて生えてくることが多いでしょう。

2歳6ヵ月頃~3歳6ヵ月

2番目の奥歯(第2乳臼歯)が生えてきて、3歳6ヵ月頃までには上下計20本のすべての乳歯が生えそろいます。

奥歯が完全に生え揃うと噛むのが上手になり、次第に大人と似たような食事を食べられるようになってきます。

6歳頃~

永久歯の第1大臼歯、いわゆる「6歳臼歯」が生えはじめます。

この頃から、乳歯から永久歯への生え替わりがはじまります。永久歯が歯槽骨の中で十分に育ってくると、乳歯の根はしだいに溶けて吸収され、短くなっていきます。乳歯がグラグラになり、やがてポロっと抜けて、そこに永久歯が顔を出します。

まず下の前歯、次に、上の前歯が抜けて生え替わります。何本かの前歯が噛み合うようになってくると、今度は奥歯が生え替わっていきます。

生え替わりは6歳頃からはじまって、12歳頃には乳歯がなくなり、第一大臼歯のうしろに第二大臼歯が生えてきて、28本の永久歯すべてが生えそろいます。

17歳頃~

第3大臼歯、いわゆる「親知らず」が生えてきます。ただし、親知らずが生える時期は個人差が大きく、成人後に生えてくる人もいますし、またまったく生えない人もいます。

(2008年12月から掲載)

「子どもの歯のはなし」の記事一覧

  1. 歯の役割
  2. 図解!乳歯のしくみ
  3. 虫歯ができるメカニズム
  4. 年齢別・歯のケア方法
  5. 仕上げ磨きのテクニック
  6. 虫歯を防ぐ6つの生活習慣
  7. 子どもの歯なんでもQ&A

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