早産を防ぐためにできること
まず、12週を過ぎたら、すべての妊婦さんはふだんの活動量の7割程度の生活を目指してください。異常がなくても、時間外労働や休日労働は避けるようにしましょう。
とくに、夜勤や当直勤務がある人は業務を変更してもらったほうがいいでしょう。ホルモン分泌の影響で、おなかの張りは深夜12時から明け方6時に起きやすいのです。この時間帯はゆっくり休める状態にしてください。また、特殊な薬品やX線を扱うような仕事の人も配置換えなどの処置を職場に申し入れましょう。
それでもおなかの張りが現れる場合は、さらに活動量を減らしたり、周囲に家事や上の子の育児などのサポートを求めましょう。
職場には、医師に書いてもらった「診断書」や「母性健康管理指導事項連絡カード」を提出し、配慮を求めてください。このカードは医療機関や職場にも用意してあるはずですし、母子健康手帳にも記載されています。こうした、母体や胎児を守るための配慮は、「労働基準法」という法律ですべての事業所に義務づけられています。
もし、「日中も張りを感じることが増えた」、「規則正しく張りがおきる」、「立って歩くことができないくらい強い張りや痛みがある」、「5分以上張りや痛みが続く」というような症状が一つでもあったら、ためらわず、休日夜間でもすぐに受診してください。
一人であれこれ考えて手当が遅れてしまうよりも、「いつもと違う」という感覚があったら、かかりつけの医師に相談を。異常を早期発見できるメリットもありますし、もし異常がなくても「大丈夫ですよ」と言われることで、精神的な安心につながります。
妊娠中は、いつもよりペースダウンして、お腹の赤ちゃんに思いをはせて幸せな気持ちで過ごすこと。それが何よりの早産予防法と自覚して、どうぞ妊娠生活を楽しんでください。
(2011年12月から掲載)