男性不妊の原因は3つ

精液検査によって診断がつくのは、精子の数が少ない「乏精子症」、まったくいない「無精子症」、動きが悪い「精子無力症」、奇形が多い「奇形精子症」、精液の量が少ない「乏精液症」です。

もっとも多いのは、精子の動きがにぶかったり、まっすぐに進めない「精子無力症」です。検査を受けた人のうち、26%が精子無力症です。そして、精子が少ない「乏精子症」が8%、まったく精子がいない「無精子症」が8%と続きます。

これらのトラブルの原因は何なのか、ということを考えなければなりません。精子がつくられて射精にいたるまでは、大きくわけて3つのプロセスがあります。

まず、睾丸で74日間かかって精子がつくられます。ここに問題があるのが、【造精機能障害】。たとえば、精巣の血液の流れに問題がある「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」や、ホルモン異常、生まれつきの染色体・遺伝子の問題などがあります。もっとも多いのは、原因不明のものです。

精巣でつくられた精子は、精巣上体→精管→射精管という経路を通って、外に排出されます。この通り道に問題があるのが【精路通過障害】で、無精子症の原因となります。先天的な問題や、幼い頃のそけいヘルニア手術の後遺症、淋病、クラミジア感染症の影響などが考えられます。

そして、精液そのものは健康だけど、性行為がうまくできない【性機能障害】も不妊原因になります。勃起不全や射精障害、早漏、遅漏などが代表的です。

泌尿器科では、これらの原因を丹念に探りながら、治療を行います。

(2011年5月から掲載)