貧血
読み方
ひんけつ
症状の説明
血液中の赤血球が少なくなっている状態。
動悸、息切れの症状が出ることもあるが、自覚症状のないことも多い。
立ちくらみなどの脳貧血とは、別のもの。
原因は、赤血球をつくるのに必要な鉄分やビタミンB12、葉酸の不足、体のどこかで出血や炎症をおこしている、自分の免疫が赤血球を攻撃しているなど、さまざまな原因が考えられる。
妊娠中、特に妊娠後期は、循環する血液量が増加するため、生理的にも貧血になりやすい。
増加するのは主に液体成分で、赤血球などの固形成分はあまり増えないため、血液は水分の多い薄まった状態になる。この状態を水血症という。
水血症は、妊娠中に起こる生理現象で、適度に薄まった血液は赤ちゃんの栄養供給に都合がよく、母体の血液循環にも有用である。
しかし、一定の値を下回ると、息切れやめまいなどの症状が出て、全身に悪影響をおよぼす。
また、出血している場合は、貧血の症状をさらに悪化させる原因となる。
赤ちゃんは優先的に鉄分を摂取するので、ママの貧血が影響することは少ないが、重症化すると分娩時に止血がうまくいかないために大出血を招くことがある。
止血不良だと血圧が安定しないため、緊急手術ができない。産後の回復にも響くので注意が必要。
鉄分を多く含む食品や、鉄分の吸収を助けるタンパク質、ビタミンCの摂取を心がける。
ただし食品からの鉄分吸収率は低いため、医師が鉄剤を処方する場合は必ず指示にしたがう。
たかが貧血と、あなどらないこと。
(2009年10月から公開)